
「この仕事は自分に合っているのか」「転職したいけど何がしたいのかわからない」など、仕事選びで迷った経験はありませんか。こうした仕事に関する悩みの多くは、自分の価値観が明確になっていないことが原因です。
本記事では、価値観の定義や価値観を見つけて仕事に活かす方法など、仕事の価値観について体系的に解説しています。
目次
そもそもの価値観の定義

価値観とは、物事を判断する際の基準となる信念や考え方を指します。価値観は仕事や日常生活など、人生のあらゆる場面で影響を与えるもので、自分らしい人生を歩むために必要な軸です。
価値観が形成されるまでには、家庭環境や教育、社会経験や時代背景など、さまざまな要因が関係しています。同じ職場でも世代によって仕事に対する考え方が違ったり、ジェネレーションギャップを感じた経験は誰でもあるのではないでしょうか。理由は、それぞれが育った環境が異なっており、形成された価値観の違いがそれぞれの言動に表れているためです。
価値観は、就職や転職の際の判断基準にもなります。例えば転職を考える際、給与よりもワークライフバランスを重視したり、プライベートを充実させたいと考えるのも、個人の価値観が反映された結果でしょう。
価値観は、単なる好みや性格の枠をこえ、人生の判断基準として重要なものです。
仕事の価値観は自分らしく働く上で必要

仕事は人生の多くの時間を占める活動ですし、自分らしい働き方をしたいものです。だからこそ多くの人が就職・転職で迷うのではないでしょうか。そんな仕事選びの場面でも価値観は重要な基準です。
就職する際にまず考えるべきことは、企業と自分の価値観が一致するかどうかです。「なぜこの企業で働くのか?」や「自分の目標と企業のやり方がマッチしているか」などの方向性は、日々の充実感に直結しているためです。
昭和・平成までの就職や転職での企業選びは、給与や企業の知名度が重視されてきました。しかし近年は、働き方や自己成長、企業の社会的責任など、より多様な価値観に基づいて就職・転職先を決める傾向があります。
仕事選びで後悔のない選択をするには、自分の価値観を明確にした上で就職・転職先を判断しなければなりません。価値観が曖昧なまま選択を行うと、後々のミスマッチにつながり、キャリア迷子になる可能性があります。
仕事の価値観はAIとの共存でも重要

AIが多くの業務を処理するようになっていく中、人間とAIの共存が仕事のテーマとして語られるようになりました。そんな中、キーポイントになるのが価値観です。
仕事上で人間がAIと差別化を図るには、価値観にもとづいた活動が必要です。顧客との信頼関係の構築や、倫理的な意思決定など、人間の価値観が必要とされる場面は多岐に渡ります。人間は共感・同情・尊敬といった感情ベースの判断や、身体を使った触れ合いなど、AIとは異なるアプローチで貢献する存在だと理解しなければなりません。
価値観は人間同士のつながりを強化する役割も果たします。AIのサポートにより他者の助けが不要になっていく中、人間同士のつながりは重要性を増しています。
人間は集団の生き物であり、どこまでいっても他者との関係をなくせません。仕事においても人間同士のつながりを持ち、協力しながら目標達成を目指すことで健全に働けます。
仕事の価値観を見つける4つの方法

仕事の価値観を見つける方法はいくつかありますが、ここでは実践しやすい4つの方法を紹介します。
- 自己分析
- ジャーナリング
- 他者からのフィードバック
- 価値観診断テスト
上記4つの方法はそれぞれアプローチが異なりますので、取り入れやすい方法から試してみてください。気軽にはじめるなら「価値観診断テスト」がおすすめです。
自己分析
自己分析とは、過去の経験や行動を丁寧に振り返り、自分が何を大切にしているのかを探る方法です。価値観をはじめ、自分の強みや弱みも明確にできます。
自己分析で価値観を探る場合、まずは過去の経験を時系列で棚卸ししましょう。学生時代のクラブ活動や仕事での印象的な出来事など、とくに心に残っている場面に注目すると、経験を整理しやすくなります。達成感を感じた瞬間や、逆に違和感を覚えた場面を書き出すと、自分の価値観が見えてくる場合もあります。
他にも、価値観リストの作成も効果的です。「自己成長」「ワークライフバランス」「社会貢献」など、具体的な言葉で自分が共感できる価値観を書き出すことで、感覚的に大切にしている価値観がわかってきます。
週末に30分程度を確保し、自分一人で過去の経験を振り返ることから始めてみましょう。
一人での作業が難しい場合は、コーチングやキャリアカウンセリングなどの専門家のサポートを受けるのもよいでしょう。客観的な視点で自己理解を深めることができます。
ジャーナリング
ジャーナリングは、日々の思考や感情を書き留めることで自分を客観視し、価値観を見つける手法です。自分の内面や出来事を書き出すため、不安やストレスを軽減する効果もあります。
ジャーナリングを行う際は、1日の中で腰を据えて書く時間を設けることが大切です。朝や夜など、落ち着いて自分と向き合える時間を確保しましょう。
書く内容に制限を設ける必要はありません。その日の出来事、感じたこと、考えなどを自由に書き留めていくと、自然と価値観が表れてきます。
また、定期的に過去の記録を振り返るようにしましょう。時間の経過とともに、自分の価値観がどのように変化してきたのかを観察できるためです。
他者からのフィードバック
友人や同僚など、他者からのフィードバックをもらう方法も、自分の大切にしている価値観を明らかにできます。信頼できる人からのフィードバックは、気づかなかった価値観を知るきっかけになる場合もあります。
フィードバックを求める際は、恥ずかしがらずに素直に質問すると効果的です。「私は何を大切にしてるように見える?」や「私の行動の特徴って何?」など、価値観に直結する素直な質問を投げかけてみましょう。
改まって聞くのではなく、リラックスした会話の流れの中で、自然に質問してみるのがおすすめです。会食中や休日に遊んでいる時に、さりげなく質問してみてはどうでしょうか。
また、受け取ったフィードバックは、メモなどの記録として残しておくとよいでしょう。時間をおいて振り返ることで、新たな価値観に気づくケースがあります。
価値観診断テスト
価値観診断テストは、自分の判断基準や信念を理解できるツールです。例えば、厚生労働省が提供する職業情報サイト「jobag」の価値観検査は、就職・転職活動の際に役立ちます。
価値観診断テストを行うと、さまざまな選択肢に対する自分の反応を客観的にチェックできます。企業選びや結婚など、重要な意思決定の場面で活用すると、自分らしい選択を行うための参考になるでしょう。
テストの結果は、一時的な気分や状況に影響される場合もあります。昇進や異動、転職などのタイミングごとにテストを受けることで、価値観の変化や成長を確認できます。
結果を参考にしながら、自分の言葉で価値観を言語化することが重要です。具体的な文章を考えながら、他者に伝わりやすい形で表現しましょう。
仕事の価値観を言語化する

価値観は言語化すると行動の指針として腹落ちできます。仕事で自分らしいキャリアを歩む場合も、自分の価値観がどんな特性・方向性なのか明確にしなければなりません。
現代では、自己実現やワークライフバランス、社会貢献など、個人の価値観が重要視されています。転職によるキャリアチェンジも当たり前なので、価値観を言語化し、どんな働き方をしたいのか方向性を明確にしなければ迷ってしまいます。
仕事の価値観は、大きく3つのカテゴリーに分類されます。
- 自己成長を重視する「内因的価値観」
- 収入や地位を重視する「功利的価値観」
- 社会への貢献を重視する「規範的価値観」
上記3つの価値観は、キャリア選択の重要な判断基準ですが、どれを重視するかは人によって異なります。内因的価値観を軸に成長を意識しながら、功利的価値観で収入も確保したい、といった2つ以上の価値観を持つ人もいるでしょう。
2つの言語化の例を挙げますので、参考にしてみてください。
言語化の例①
「新しい知識やスキルを常に学び、自分の可能性を広げられる仕事をしたい」
内因的価値観を重視した考え方です。新しい知識・スキルを習得する自己成長を重視し、仕事を通じて自分の可能性を広げることを指針にしています。
言語化の例②
「社会や地域の課題解決に貢献し、人々の生活を良くする仕事をしたい」
規範的価値観を重視した考え方です。社会貢献や身近な人を支える気持ちを大切にし、仕事を通じて社会的意義を果たすことを指針にしています。
仕事の価値観に関するよくある4つの質問
価値観は概念として抽象的なので、よくわからない部分も多いものです。ここでは、仕事の価値観に関してよくある4つの質問に回答します。

仕事の価値観は年齢とともに変化しますか?
人生経験を重ねるにつれ、価値観は自然に変化するものです。例えば20代では仕事での自己実現を価値観としていた人が、30代では家族との時間やワークライフバランスへと移り変わる、といったケースは珍しくありません。
昇進や転職のほか、結婚や出産などの人生の節目において、それまでの価値観が見直されることは自然な流れです。
社会の変化も、価値観の形成に影響しています。デジタル化が進む現代では、昭和・平成時代に作られた働き方や生き方にとらわれない、新しいライフスタイルを目指す価値観が生まれています。リモートワークなどが代表例と言えるでしょう。
価値観の変化は、個人の成長の証でもあります。大切なのは、その変化を受け入れ、新たな価値観と向き合う柔軟な姿勢を持つことです。
企業の価値観とは具体的に何ですか?
企業の価値観とは、企業が組織として大切にする信念や経営の指針を指すものです。例えば、顧客満足度の追求や品質へのこだわり、イノベーションを重視するなどが挙げられます。
その他にも、社会的責任や環境への配慮といった要素も、現代では企業の重要な価値観とされています。持続可能な社会の実現に向け、企業が果たすべき役割は大きくなっているためです。
企業の価値観と似た概念にビジョンがありますが、この2つは異なるものです。価値観は「どのように行動するか」に焦点を当てており、日常の業務における行動基準を指します。ビジョンは「どこに向かうか」に焦点を当てており、将来の目標を指します。
仕事の価値観がどうしても見つからない
仕事の価値観が見つからない人がいることは珍しくありません。現代人は環境に合わせるよう教育されており、自分の内面について考えてこなかった人が多いためです。
仕事の価値観が見つからない時は、新しい体験をすると、自分が本当に大切にしたいものが見えてくる場合があります。まずは、趣味やボランティア活動など何でもよいので、これまでとは違った活動に挑戦し、自分の反応や感情を観察してみてください。
「これは楽しい」や「興味がある」といったポジティブな反応でもよいですし、「これは好きじゃない」「楽しくない」といったネガティブな感情でもかまいません。自分の内側から出てきた感覚は、すべてあなたの仕事の価値観につながっているからです。
反応や感情が出てきたら、それらをメモなどで記録するとよいでしょう。何にポジティブになれるのか、逆にネガティブになるのはどんな時かを客観的に把握します。反応や感情に関する情報が集まると、どんな働き方がしたいのか見えてきます。
仕事の価値観を見つけて自分らしいキャリアを歩もう
本記事では、働く上で大切な仕事の価値観について、定義や見つける方法を解説しました。
価値観は単なる好みや性格の枠をこえ、人生における選択や幸福度に大きな影響を与えるものです。とくに仕事では、自分の価値観に沿ってキャリア選択することが、充実した日々を送るために必要だと言えるでしょう。
記事で紹介した方法を実践していただき、あなただけの価値観を見つけ、意義のある自分らしいキャリアを歩んでもらえれば幸いです。