「マインドフルネス」に興味があっても、難しそう、時間がかかりそうと感じて、なかなか始められないという方も多いのではないでしょうか。実はマインドフルネスは誰でも簡単に取り組むことができます。
本記事では、マインドフルネスの効果や向き不向き、初心者がすぐできる瞑想法について解説します。また、生活に取り入れる具体的な方法も紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
マインドフルネスとは
マインドフルネスは1970年代に米国の医学者ジョン・カバット・ジンによって開発された心を整える手法です。仏教の瞑想や禅の思想をベースに科学的なアプローチを組み合わせ、誰でも簡単に実践できるように作られました。
マインドフルネスの本質は、「今この瞬間」に意識を向ける点です。今感じている身体感覚に注意を向けることで過去や未来の不安から解き放たれ、さまざまなポジティブな効果を得られます。
マインドフルネスの効果は研究によって実証されており、とくにストレスや不安の軽減に効果があると証明されています。医療機関や企業での導入も進んでいて、不安を抱える人の心を整える手法として注目されています。
何も準備しなくてOK
マインドフルネスの実践に特別な準備は必要ありません。必要なのは「今この瞬間」に意識を向けられる環境と時間だけです。
取り組み方によっては、場所が関係ない点も良い部分でしょう。自宅、職場、バスや電車内をはじめ、歩いている最中や行列に並んでる時なども実践できます。「今この瞬間」に意識を向けられれば、どんな場所に居ても成立するのがマインドフルネスです。
1日5分でOK
1日に数十分~1時間以上も「今この瞬間」に意識を向ける・・・そう考えると、マインドフルネスに取り組むのも億劫になりませんか。
ところが研究によると、マインドフルネスは短時間の瞑想でも脳の不必要な活動を抑制し、ストレスの軽減や集中力の向上が認められました。1日たった5分の実践でもOKなので、マインドフルネス初心者も取り組みやすくなっています。
朝や夜、仕事の休憩時間など、ちょっとした隙間時間に実践できるのがマインドフルネスです。
マインドフルネスのポジティブな効果
マインドフルネスには主に次の4つの効果があります。
- 心が安定する
- 身体の調子を整える
- 集中力を高める
- 対人不安が軽減する
それぞれの効果について見ていきましょう。
心が安定する
「今この瞬間」に集中し、自分の感情や思考を客観的に見つめることで、ネガティブな感情に対処する力が向上します。他人の心を見つめるように自分の心を観察すると、ネガティブな感情に振り回されにくくなり、心を安定させられるようになります。
また、マインドフルネスは、ストレスホルモンの一つであるコルチゾールの分泌を抑える効果もあります。リラックスした状態を作り出せるため、冷静に物事に対処できるようになる点もメリットでしょう。
身体の調子を整える
マインドフルネスには、ストレスを原因とした身体の炎症や免疫系への悪影響を軽減する効果があり、病気に対する抵抗力を高めてくれます。自律神経を整える効果もあるため、自律神経失調症の改善も期待できるでしょう。
また、マインドフルネスには睡眠の質を向上させる効果もあります。就寝前に行うことで、日中の活動によって昂った心や不安を落ち着かせ、スムーズな入眠を促してくれます。
集中力を高める
マインドフルネスは雑念を排除する効果があるため、「今この瞬間」に集中する力を鍛えられます。仕事や学習など、高い集中力が求められる場面での効果が期待できるでしょう。
研究では、継続的にマインドフルネスを実践すると、脳の構造にも変化をもたらすことが確認されています。主に注意力や感情制御に関わる領域が活性化され、集中力を向上させる効果が判明しています。
対人不安が軽減する
マインドフルネスを実践すると、自分の感情や思考を客観的に観察する習慣が身につきます。対人関係で起きるネガティブな感情に振り回されにくくなるため、どんな人とも建設的なコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。
また、マインドフルネスには自分へのネガティブな評価を軽減する効果も確認されています。そのため、他者からの評価を気にせず行動できるようになります。
マインドフルネスが向かない人
うつ病や不安障害といった症状がある人は、専門家に相談してからマインドフルネスを始めるようにしましょう。自分の感情や思考を客観的に見つめる行為がストレスを増加させ、症状を悪化させる可能性があるためです。
また、PTSDの症状がある方についても、自己判断でマインドフルネスを行わないようにしてください。マインドフルネスで過去のトラウマを思い出してしまう場合があるため、専門家の指導のもとで実践するようにしましょう。
初心者でもできる瞑想のやり方
マインドフルネスにはいくつもの瞑想が存在し、初心者が行うにはハードルが少々高いものもあります。この章では、初心者でも取り組みやすい3つの瞑想法をお伝えします。
- 呼吸瞑想
- 歩行瞑想
- ボディスキャン瞑想
それぞれの瞑想を見ていきましょう。
呼吸瞑想
初心者がもっとも取り組みやすいマインドフルネスが呼吸瞑想です。呼吸に注意を向けるだけでいいため、いつでも・どこでも・誰でも実践できるマインドフルネスの基本です。
まずは背筋を伸ばし、鼻から息を4秒かけて吸い、8秒かけて口からゆっくりと吐き出しましょう。この時、吸う息・吐く息それぞれの感覚に意識を向けます。雑念が浮かんできても無理に消そうとせず、「〇〇について考えてる」と雑念に気づき、そのまま呼吸へ意識を戻すことを心がけてください。
体勢はとくに決まりはありません。床にあぐらでも椅子に座った状態でもOKですし、立ったままでもOKです。時間については、初めは5分程度から始め、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていくとよいでしょう。
歩行瞑想
歩行瞑想はその名の通り、歩きながら行う瞑想です。足の裏が地面に触れる感覚や、重心の移動などを意識しながら歩きます。
この瞑想法は、日常生活に取り入れやすく、通勤や散歩などでも実践できます。家事など、家の中を歩くときに行えるのも魅力でしょう。
また、マインドフルネスと同時に有酸素運動にもなるため、身体の健康にも良い瞑想法です。
ボディスキャン瞑想
ボディスキャン瞑想は、頭から足先まで全身をスキャンするように、身体の部位に順番に意識を向けていく瞑想法です。身体感覚に意識を向けるため、マインドフルネスと同時に自分の健康状態のチェックも行えます。
まずは、椅子に座る・仰向けに寝るなど、リラックスできる体勢になりましょう。目を閉じて呼吸の感覚に意識を向けることからスタートし、そのまま身体の部位に意識を向けていきます。
例えば、頭・顔・首・肩・胸・腹部・腰・太もも・足・・・と順番に意識を向ける先を変え、それぞれの部位の感覚を観察します。何か不快な感覚を感じた場合、その感覚を受け入れ、呼吸に意識を戻してリリース(解放)するイメージで逃がします。
不快な感覚はさまざまです。身体の部位に意識を集中していると、ジンジンする・かゆみなどの不快な感覚が必ず出てくるものですが、それ自体を気にする必要はありません。
全身の感覚を観察し終えたら、ゆっくりと目を開け、いつも通り身体を動かしましょう。
マインドフルネスを生活に取り入れる|瞑想の実践例
マインドフルネスを生活に取り入れる際にとくに注目したいのは、隙間時間です。時間が空くとスマートフォンでSNSのチェックやゲームなどをしたくなりますが、隙間時間こそマインドフルネスを実践して欲しいタイミングです。
ここでは、マインドフルネスの実践例として、隙間時間に行う瞑想と自宅で行う瞑想を紹介します。
暇があればできる呼吸瞑想
呼吸瞑想は、仕事の休憩時間や通勤電車の待ち時間など、日常のちょっとした隙間時間で実践できます。
例えば、デスクワークの合間に行う呼吸瞑想は、肩こりや目の疲れの軽減にも効果的です。とくに集中力が低下してきたと感じる午後の時間帯に実践すると、業務に再び集中する効果が期待できるでしょう。
通勤電車の車内や待ち時間にも呼吸瞑想は行えます。雑念や周囲の音を自覚し、呼吸に意識を向けるようにすると、心身にリラックスとリフレッシュ効果をもたらします。
まずは1日の中で1度でもよいので、スマートフォンを見る時間を呼吸瞑想に置き換えてみましょう。
通勤・通学で行う歩行瞑想
通勤・通学で歩くときは絶好の歩行瞑想のタイミングです。駅やオフィス、学校までの道のりを利用して、足の裏の感覚に意識を向けましょう。
歩行瞑想を行うときのポイントはリズムを保つことです。呼吸と歩行のリズムを合わせ、自分のペースで瞑想するようにします。
ただし、混雑している場所では周囲を確認し、安全への配慮を忘れないでください。また、段差がある場所は転倒の危険もあるため、平坦な道で行うようにしましょう。
リラックスタイムに行うボディスキャン瞑想
自宅でのリラックスタイムは、ボディスキャン瞑想に最適なタイミングです。とくに入浴前後や就寝前などがおすすめです。
まずは寝室など静かな場所で横になり、全身の緊張を解きほぐしましょう。頭から足の先までスキャンするように意識を向け、とくに一日の疲れを感じる部分に注意を向けてください。その感覚を静かに受け入れ、呼吸とともにリリース(解放)するイメージを持ちます。
ボディスキャン瞑想を行う際は、香りのあるアロマキャンドルや静かな音楽を取り入れることで、より深いリラックス効果が得られます。
マインドフルネスを取り入れ心を整えよう
マインドフルネスとは、「今この瞬間」に意識を向けることで心を整える実践的な手法です。初心者でも簡単に始められる瞑想法もあり、本記事では呼吸瞑想、歩行瞑想、ボディスキャン瞑想について実践方法を紹介しました。
マインドフルネスは電車での通勤時間やデスクワークの合間など、日常生活のさまざまな場面で取り入れることができます。まずはスマートフォンを見る時間を瞑想にあててみませんか。5分でもよいので、意識的に「今この瞬間」に向き合う時間を作ってみましょう。