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転職回数が多いと人生終わり?転職回数が多い人が採用され理想のキャリアを歩む方法

面接する女性と面接官

「次の転職は難しい」

「キャリアの選択肢がなくなった」

「周囲や企業からネガティブな印象を持たれる気がする」

転職回数の多さから上記のような考えが浮かび、人生が終わったと感じていませんか。

しかし、働き方が多様化している現代では、転職回数の多いことは必ずしもマイナスではありません。

本記事では、転職回数が多くても人生終わりじゃない理由や転職回数が多い人が採用されるためのコツについてお伝えします。

転職回数が多くても人生終わりじゃない

黒板に書かれた人生の文字と矢印

転職回数が多いとキャリアが詰む=人生終わりと考えてしまいますが、実際はそんなことはありません。

もちろん転職回数が多い人は企業からネガティブに見られる傾向はあり、採用のハードルになったり、キャリア選択に影響はあります。しかし、人生終わりというのは誇張された表現であり、事実に反した極論です。

  • 転職に関する認識が欧米化してきている
  • 転職回数が4回以上の転職者は多い

調査結果をもとに、上記2つの視点から転職回数が多くてもキャリアにチャンスはあることを解説します。

転職に関する認識が欧米化してきている

出典:マイナビ「転職動向調査2024年版(2023年実績)

マイナビの調査によると、20~50代までの男女の64.7%が「転職は前向きな行動である」と回答し、52.3%が「転職は必要である」と回答しています。年代問わず、約半数の人が転職をポジティブにとらえており、日本人の転職への意識の変化がデータから見て取れます。

日本には終身雇用と年功序列の仕組みが長く存在し、転職に対する否定的なイメージを生み出してきました。企業への忠誠心を重視する文化が、転職回数の多さをネガティブにとらえる要因になっていたのです。

国際的には、転職はステップアップという考え方が主流です。アメリカやカナダなどでは、生涯で10回以上の転職も珍しくありません。欧米は個人のスキルや成果を重視する能力主義であるため、転職回数を採用基準にすることは少なくなっています。

近年、日本国内はグローバル化やITによって市場が変化し、日本人の転職に対する認識が欧米化してきています。加えて、終身雇用制度の崩壊によって1つの企業で働き続けることができなくなった現状を考慮すると、欧米式の働き方にシフトしつつあると言えるでしょう。

転職回数が4回以上の転職者は思っているより多い 

株式会社マイナビが行った転職回数の調査結果からは、意外な事実もわかりました。何度も転職している人は少ないと考えがちですが、そんなことはありません。

出典:マイナビ「転職動向調査2024年版(2023年実績)

マイナビの調査によると、転職回数が4回以上の人は20~50代の男女全体で約30%を占めています。年代が上がるほど転職回数は増え、30代の転職4回以上の割合は男性で24.9%、女性で33.9%に達しており、若い世代でも転職する人が多いことがわかります。

40代以上になると転職回数はさらに増え、男女ともに半数が4回以上の転職を経験しています。その全員が人生が終わっているということになりますが、そのような極論は事実ではありません。転職回数が4回以上でも自分らしいキャリアを歩んでいる人はいますし、どんな仕事を良いとするかは人それぞれであり、転職回数では決まらないものです。

転職の時期と業界・業種選びで採用されやすくなる

指を指す女性ビジネスパーソン

転職市場には求人が多く出る旬の時期と採用されやすい業界・業種があります。転職回数が多い人が転職成功させるためには、戦略として時期を見計らったり業界・業種選びをすることも大切です。

  • 転職市場が活発なのは1月~3月と6月~7月
  • 転職回数を気にしない業界・業種は採用されやすい

ここでは、上記の転職に有利な時期と業界・業種について解説します。

転職市場が活発なのは1月~3月と6月~7月

1月~3月は、転職市場が1年の中でとくに活発になる時期です。年度末の3月で退職し、4月からの転職を希望する人が多くなるからです。その状況を見越し、企業も転職者向けの求人を多く出します。

6月~7月も転職市場が活発になる時期です。企業は人事異動や新規事業をスタートさせるため、人員確保のための求人を出します。ただし、4月入社を希望する転職組に比べ、即戦力になる人材を求める時期である点に注意しましょう。

転職回数を気にしない業界・業種は採用されやすい

とくに転職回数を気にしないのは、人手不足に悩んでいる業界・業種です。少子高齢化の影響もあり、若手人材の確保に困っている企業は多いため、転職先として狙い目だと言えるでしょう。

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2022年1月)

帝国データバンクの調査によると、調査対象となった全国24,072社のうち、47.8%が正社員不足という結果となっています。どの業種も半分以上の企業が人手不足に悩んでいる状況であり、多くの企業が人手不足の解消を目的に積極的な採用を行っています。こうした企業は転職回数が多くても採用されやすいことはもちろん、未経験者の採用にも積極的な点もポイントでしょう。

ただし、人手不足の業界・業種が必ずしも自分に向いているとは限りません。転職前に自己分析を行い、ミスマッチが起きないよう慎重に求人を選別するようにしましょう。

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転職回数が多い人が自分の市場価値を高める3つの方法 

3人のビジネスパーソンの後ろ姿と矢印

転職回数だけで採用の合否が決まるとは限りませんが、とはいえ転職回数の多さはネガティブな印象があるものです。印象を良くするには、自分の市場価値を高めるような自己PRを準備し、採用担当者に伝えなければなりません。

ここでは定番の方法に加え、心理学的なアプローチも含めた3つの市場価値の高め方について解説します。

  • キャリアの棚卸しで自分の軸を作る 
  • ストーリーテリングで面接や履歴書対策をする 
  • 短所を長所に変えるリフレーミング 

上記3つについて見ていきましょう。

キャリアの棚卸しで自分の軸を作る 

転職回数の多さを強みに変えるには、まずキャリアの棚卸しを行い、自分の経歴やスキルを整理しましょう。キャリアの棚卸しを行うことで、一見バラバラに見える経験の中から自分だけの市場価値を見つけられます。

キャリアの棚卸しでは、大きく分けて2種類のスキルを整理します。担当業務や資格といった具体的なスキルと、職種・業界をまたいで活用できるポータブルスキルです。

具体的なスキルを整理する

具体的なスキルを整理する場合、成果は数値化し自分の実力を証明できるようにしておきましょう。例えば、営業職であれば売上実績や顧客開拓数などを数字を用いて提示し、転職先の企業でどんな貢献ができるかを伝えると、即戦力として評価してもらえます。

また、複数の営業職を経験したなら、「クライアントの要望を理解する力」や「クライアントに提案する力」を磨けた、といった形で伝えるとよいでしょう。このスキルを活かし、御社に貢献できるとアピールすると効果的です。

異なる業種・業界を渡り歩いたなら、「異なる業種・業界で働いた経験により適応力が磨かれた」「さまざまな経験によって視野が広がった」など、抽象度を上げたセールスポイントを用意しておきます。

また、「〇〇の資格が必要な業務ができる」や「経験が豊富なので営業もできる」など、具体的にできる業務がある場合は積極的に伝えましょう。

転職に計画性があった根拠と即戦力になれる業務を伝えると、転職回数の多さをプラス材料にできます

ポータブルスキルを整理する

ポータブルスキルとは、どの仕事でも転用可能なスキルを指します。現状の把握や計画の立案といった実行力や、社内外の対応といったコミュニケーション能力などです。厚生労働省が提供する「ポータブルスキル見える化ツール」を活用すると、仕事のし方・人との関わり方の2つの側面からポータブルスキルを明らかにできます。

ストーリーテリングで面接・履歴書対策する

ストーリーテリングとは、情報やメッセージを物語として構成し、相手の心に響く形で伝えるテクニックです。聞き手の感情に訴えかけ、共感を引き出すことを目的としており、ビジネス・教育・マーケティングなど、さまざまな分野で活用されています。

転職活動でも有効で、面接での質疑応答や履歴書の作成に活用することで、説得力のある自己PRを行えます。転職活動でのストーリーテリングの効果は大きく4つです。

  • 物語として語られた情報が採用担当者の印象に強く残る
  • エピソードへの共感によって話を聞いてもらいやすい
  • 経験や実績をストーリー形式にすることで理解しやすくなる
  • 他の応募者との差別化になる

面接と履歴書への具体的な活用方法について見ていきましょう。

面接でストーリーテリングを活用

面接での活用方法としては、「背景」「課題」「行動」「結果」という構造で話を組み立てることが効果的です。例えば営業職からの転職の場合・・・

① 前年比80%まで売上が落ち込んだ部署で(背景

② 業績回復という課題に直面しました。(課題

③ そこで、顧客との関係強化を図るため、定期的な商談の機会を設け、ニーズの掘り起こしを行いました。(行動

④ その結果、半年で売上を前年比120%まで回復させることができました。(結果

・・・といった具合です。

ポイントとしては、背景と課題で具体的なピンチを演出し、行動と結果でアイデアと行動力で困難を乗り越えたエピソードに仕上げます。ピンチと結果には数字などで具体性を持たせ、採用担当者がイメージしやすくしましょう。

履歴書でストーリーテリングを活用

履歴書では、主に自己PR欄に重要な出来事や成果を物語形式で記述します。面接での活用方法と同様に、「背景」「課題」「行動」「結果」で物語を構成しましょう。

その際、応募先企業が求める人物像に合わせてエピソードを選択することが重要です。チャレンジ精神を重視する企業であれば新規プロジェクトでの経験を、チームワークを重視する企業であれば組織での貢献を物語にすると効果的です。

短所を長所に変えるリフレーミング 

リフレーミングとは、物事や状況の見方を変えることで、新たな意味や解釈を見出すテクニックです。転職活動においては、短所を長所に変えてアピールする方法に活用できます。

人の持つ性格や特性は、見方を変えることで長所にも短所にもなります。例えば、下記のような短所を長所に言い換えることができます。

  • 諦めが悪い→忍耐力がある
  • 周囲に流されやすい→協調性がある
  • チームプレイが苦手→主体性がある
  • 楽観的→ポジティブ
  • 神経質→計画性がある
  • 落ち着きがない→行動力がある
  • 軸がぶれる→多角的な視点を持っている

上記は一例ですが、他にもさまざまな短所を長所に言い換えられます。リフレーミングを行えばどんな人にも必ず長所は見つかりますので、自己分析してみましょう。その際、友人や家族、同僚に自分にどんな長所・短所があるか聞いてみるのも有効です。長所はそのまま長所として理解し、短所はリフレーミングして自己PRに活用してください。

転職回数の多さをポジティブに説明する方法

面接を待つ若手ビジネスパーソン

転職回数が多い人が悩むのが面接での経歴の説明です。転職回数については高確率で聞かれるため、回答は必ず用意しておかなければなりません。

ポジティブに回答するポイントとしては、転職には自分の軸や目的があると説明し、転職によって成長できた旨を伝えようにしましょう。その際、前述したストーリーテリングを用いると、ポジティブな印象を与えつつ、市場価値の高い人材だと思ってもらえる可能性があります。

参考として、良い回答例とNG回答例についてご紹介します。

良い回答例

「技術の進化が速いIT業界で、最先端の知識とスキルを習得することを重視してきました。それぞれの企業で異なる開発環境や新しい技術に挑戦することで、問題解決能力を高められました。また、スタートアップから大手企業まで様々な規模の開発プロジェクトに参加したことで、柔軟な対応力も身についたと感じています。」

「業界は異なりますが、一貫して提案型営業の経験を積み重ねてきました。各社での経験を通じて、業界の商習慣や商材の違いに関係なく、お客様の課題を見出し、最適な解決策を提案できる力を養うことができました。この経験は、御社での営業活動にも活かせると考えています。」

複数回の転職を通して成長と経験の両方を獲得し、さらに転職先の企業で活かせると伝えています。キャリアの棚卸しをする際、個々の企業でどんなスキルや経験ができたかも把握しておくと、より転職回数の多さをポジティブに伝えることができるでしょう。

NG回答例

「会社の業績悪化による影響で給料が減額されたり、職場内の人間関係がうまくいかなかったため、仕方なく転職しました。」

「入社前のイメージと違っていたため楽しくありませんでした。やりがいもなく、やりたいこととズレを感じたため転職しました。」

給料や人間関係を理由にした転職は確かにありますが、それをそのまま伝えるのはNGです。この人は仕事内容ではなく、置かれた環境にしか興味がないと思われてしまうためです。

仕事内容について触れる場合も、明確な理由もなく「やりがいがない」「やりたいことと違った」を転職理由にしてはいけません。自分のやりたい仕事以外に不満を持ち、また辞めるのではないかと思われてしまうからです。

転職回数が多くても理想のキャリアは歩める

転職回数の多さは必ずしもマイナス要因になるとは限りません。グローバル化やIT化をはじめ、終身雇用の崩壊といった雇用環境の変化により、転職をポジティブにとらえる人が増えています。また、人手不足で転職回数を気にしない業界・業種も存在するため、転職回数が多い人もキャリアの選択肢はあります。

転職回数が多いからといって人生が終わったと諦めず、経歴やスキルを見直して強みに変え、理想のキャリアを歩んで行きましょう。

  • この記事を書いた人

bh_inko(たくみ)

ライター歴は副業を入れ6年、現在は本業として活動中。執筆件数は300件、ビジネスと転職分野を中心に、福祉・エンタメなど幅広い記事を作成。

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