さまざまな人が集まる職場には、性格や考え方が合わない嫌いな人がいるものです。
職場の悩みの多くは人間関係によるものですし、嫌いな人が1人いるだけでストレスが溜まりますよね。
できれば関わりたくないものの、仕事をする上でそうもいかないのが現実でしょう。
本記事では、「職場の嫌いな人の特徴」「職場の嫌いな人との付き合い方・対処法」「職場の嫌いな人にやってはいけない行動」などについて解説しています。
本記事をお読みいただければ、職場に嫌いな人がいる時にどうすれば良いかがわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも職場に嫌いな人がいるのは当たり前!
日本では小学校に入ると、「みんな仲良くしよう」「仲良くすることが良いこと」だと教わるのが一般的です。
中学校・高校・大学へ行ってもみんな仲良くする雰囲気は続きますが、現実は全員が仲良くすることはできません。
なぜなら、人それぞれ育った環境は違いますし、性格や趣味嗜好が異なるのは当たり前で、それこそが個性=多様性だからです。
そもそも学生時代だって仲の良い友達もいれば、合わないなって人もいましたよね。
友達どころか先生とも相性がありましたし、年齢・性別・立場に関係なく、仲良くなれない人がいることが事実なんです。
さらに、現代はグローバル化によって外国人と関わる機会が増えており、今まで以上に仲良くできない人と遭遇しやすくなっています。
日本人と外国人では、文化・考え方・常識が異なりますから、仲良くできない=嫌いになるケースが多発しても不思議ではありません。
つまり、人間関係は誰かを嫌いになる可能性あるのが当然であり、嫌いな人がいることが当たり前の状態なんです。
ですが、学校で「みんな仲良くすること」を正しい教えとして刷り込まれているため、現実とのズレにより、職場の人間関係に悩む人を増やしている背景があります。
人同士の相性を見る2:6:2の法則
みんなが仲良くできないことを裏付けるように、人間関係には「2:6:2の法則」という考え方があります。
「2:6:2の法則」とは、たとえば職場に10人いたら・・・
- 自分と相性の良い人は2割
- 自分と相性が普通の人は6割
- 自分と相性が悪い人は2割
と考える法則です。
元々は社員の働きを表わしていた法則で、企業により貢献する人が2割・普通の貢献をする人が6割・貢献が低い人が2割に分かれることを指していました。
転じて人間関係にも当てはめ、大まかに職場内の同僚との相性について表す手法としてビジネス上で用いられています。
性格が合わない同僚や仕事のやり方が合わない上司などは、「2:6:2の法則」に当てはめてみると、実は自分と相性の悪い2割の人に該当していると考えられます。
この法則の最大のポイントは、「2:6:2の法則」を知っておくことで、無理に嫌いな人と仲良くしようとせずに済むことです。
人同士の相性には法則があると知っておけば、過剰に人間関係に悩んだり、不要な努力をせずに済むんですね。
「2:6:2の法則」は組織マネジメントでも活用されている概念ですので、組織・チームで働く社会人ならぜひ覚えておきましょう。
職場で嫌いな人ができる理由
職場にいる嫌いな人にはさまざまな特徴があり、嫌いになる理由も異なるもの。
では、どういった理由で職場の人を嫌いになってしまうのでしょうか。
職場で嫌いな人ができる理由
ここでは、上記5つの職場の人を嫌いになる理由を見ていきます。
仕事のやり方が合わない
目指すゴールは同じでも、仕事のやり方が異なることはよくありますが、職場の嫌いな人の特徴にもつながります。
たとえば、自分は色んな人の意見を聞きながら柔軟に仕事を進めたいのに、同僚は真面目すぎて融通が利かない場合などです。
また、ジェネレーションギャップ・役職の違いなども仕事のやり方のズレにつながり、嫌う理由になることがあります。
当然ですが、職場に集まる目的は仕事をすることですので、やり方が合わないことは大きなストレスとなってしまうもの。
その結果、仕事上で衝突する同僚を疎ましく思うようになり、職場の嫌いな人になってしまう場合があります。
感情を態度に出す
ネガティブな感情を態度に出すことは、職場で嫌われる理由になります。
怒りや悲しみといった感情は誰にでもありますが、多くの社会人は感情と行動を切り分け、円滑な人間関係が作るよう務めているものです。
しかし、仕事上でミスや意見の衝突などの出来事が起きた際、自分の感情が抑えられない人も一定数存在します。
ネガティブ感情を態度に出す人がいると、その場の空気を壊してしまうため、チームプレイが重要な仕事ではとくに嫌われやすくなります。
また、近年ではハラスメントに厳しくなっており、ネガティブ感情をすぐ出す社員は組織運営の視点からも放置しておけない対象です。
誰かの悪口を言う
口を開けば誰かの悪口を言っていることも、職場で嫌われる理由になります。
たまに愚痴を言う程度なら許容できますが、毎回誰かの悪口を言われると、聞いてる側もストレスを感じるもの。
また、「別の人には自分の悪口を言ってるのでは?」とその人を信用できなくなることも、嫌いになる原因だと言えます。
さらに、悪口を言う人によって職場内にネガティブな噂話が広まったり、人間関係がこじれて不要な派閥などができることもあり得ます。
ひどい場合だと、悪口によって職場内いじめに発展することも考えられるでしょう。
こうした理由から、すぐに悪口を言う人は職場内の環境を悪くする可能性が高いため、良識的な社員に嫌われる傾向にあります。
人によって態度が違う
相手によって態度を変えることも、職場で嫌われやすい理由の1つです。
たとえば、仲の良い同僚とは楽しそうに話しているのに、関心がない人にはあからさまに冷たい態度になるなどです。
また、出世やキャリアに関係する上司・先輩には良い顔をし、関わっても得がない人は雑に扱うといった、損得で態度が変わる人も嫌われやすい人の特徴です。
もちろん、関係性やTPOに合わせて適切な態度を取ることは、社会人としてのマナーです。
しかし、TPOではなく個人的な理由で態度を変えている場合、周囲の人は不快に感じるものですし、それどころか不信感すら抱く可能性があります。
人によって態度が変わる人は、ビジネスで重要な信用・信頼の視点でも嫌厭されやすくなると言えるでしょう。
成果の横取り・ミスの押し付け
成果が出たら自分のものにし、ミスをしたら誰かに責任を押し付けるといった態度も、職場で嫌われる理由になります。
1人で出した成果なら自分の手柄にしても問題ありませんが、チーム・ペアで出した成果を自分の功績のように語るのはおかしいですよね。
また、ミスを他人のせいにし、自分で責任を取ろうとしないのは社会人として許されない姿勢です。
このような人は同僚から信用・信頼もされませんし、チームプレイを壊してしまうため、距離を取られてしまう可能性が高いと言えます。
成果の横取り・ミスの押しつけは人としてありえない行為ですので、職場で嫌われることは避けられません。
職場の嫌いな人との付き合い方・対処法
職場の嫌いな人から受けるストレスは、できるだけ小さくしたいもの。
とはいえ、仕事をする上で関わらないわけにはいきません。
では具体的に、職場の嫌いな人とはどう付き合い、対処すれば良いのでしょうか。
職場の嫌いな人との付き合い方・対処法
ここでは、上記4つの職場の嫌いな人との付き合い方・対処法を見ていきましょう。
仕事上の関係と割り切って接する
大前提として、職場には仕事をするために社員が集まっています。
仕事には仕事特有の人間関係が存在し、ビジネスマナーやTPOに合わせた態度を示す必要があります。
言い換えれば、無理に仲良くしようとする必要はなく、仕事上で必要な態度に徹して接すれば問題ないとも言えますよね。
プライベートや趣味嗜好については話題にせず、あえてビジネスライクな距離をキープし、仕事上の関係と割り切って接することも、職場の嫌いな人との安全な付き合い方です。
割り切って接することは、基本的な対処法の1つです。
仕事上の付き合いだと考え、適度な距離を取りましょう。
人間関係以外の良い部分に注目する
人間関係以外の今の仕事の良い部分に注目することも、職場の嫌いな人と付き合う上で有効な方法です。
たとえば、この会社に居ることでスキルアップができている、安定した給料を頂いて生活できているなど、良い部分・メリットに注目してみてください。
良い面に意識が向き、ポジティブな気持ちになると、自然と人間関係も良好になる可能性があります。
なぜなら、ポジティブな人は好かれやすく、周囲に人が集まって来やすいため、仲間ができて嫌いな人から受けるストレスが減る、といったことがあるためです。
仕事において人間関係は重要ですが、仕事には他にも良い面が複数ありますので、職場の嫌いな人ばかりに意識を向けないようにしましょう。
意識を向ける先を変えれば、受けるストレスも小さくなります。
職場の嫌いな人にとらわれないようにしましょう。
同僚や上司に相談して関係をサポートしてもらう
職場の嫌いな人との関係が仕事に支障が出るほど悪化しているなら、同僚・上司に相談し、関係をサポートしてもらうことも1つの方法です。
とくに、嫌いな人が暴言(嫌味)を言う・無視をする・嫌がらせを行うなど、攻撃的な態度で接してきている場合はハラスメントになるため、会社側で対処する必要のある問題です。
また、単純に性格や仕事のやり方が合わない場合でも、関係が悪化しすぎて仕事に支障が出ているなら、第三者が仲に入って関係をサポートする必要もあるでしょう。
個人の力だけではどうしようもない場合は、勇気を持って会社の誰かに相談してみてください。
どうしても辛いなら接点を減らす
人間関係には、どんなに歩み寄っても無理な人や、好きになれない人は存在するものです。
無理して嫌いな人と接しているとストレスになり、職場が辛い場所になる可能性があるため、意図的に接点を減らしてみるのも有効です。
接点を減らす方法としては、以下のようなやり方があります。
- 嫌いな人とのやりとりはチャットやメールにする
- 他の人と話すようにし、嫌いな人とのコミュニケーション自体を減らす
- 仕事中以外に嫌いな人に極力近寄らない
上記の方法の注意点として、あからさまに接点を減らすと角が立つ場合もあるため、できるだけ自然な形で実践してみると良いでしょう。
職場の嫌いな人とまったく関わらないことは難しいですが、接点は減らせます。
どうしても辛いなら、無理のない範囲で接点を減らしてみませんか。
職場の嫌いな人にやってはいけない行動
いくら職場の嫌いな人だからといって、やってはいけない行動もあります。
行動によっては関係が悪化したり、職場の空気を悪くしてしまうことも。
具体的にどのような行動をしてはいけないのでしょうか。
職場の嫌いな人にやってはいけない行動
ここでは、上記4つの職場の嫌いな人にやってはいけない行動を見ていきます。
嫌いなことを態度に出す
いくら嫌いだからといって、嫌いな感情を態度に出して冷たく接したり、他の人とは違った扱いをするといった行為はしてはいけません。
態度に出すことは社会人としてマナーに欠ける行為ですし、下手をするとハラスメントになる可能性もあります。
嫌いな人でも人格のある1人の人間であり、相手を尊重した態度で接することは人として守らなければならない部分です。
また、そういった悪態は、職場・チーム全体の雰囲気を悪くしたり、気を遣わせてしまうなど周囲の人の負担になる場合もあるため、絶対にやめましょう。
無視をする
無視をすることは、人として最低限のマナー・モラルを守れていない行為であり、嫌いな人であろうとしてはいけません。
挨拶・お礼・報連相など、仕事をする上で必要なコミュニケーションはいくつもあり、無視は会社の人間関係を壊してしまう最低の行為です。
また、無視をする人は周囲から幼稚・非常識・性格が悪いなどと認識され、自分自身の評価を落とし、逆に嫌われる側になる場合もあります。
職場の嫌いな人を無視をしても誰も幸せになりませんので、絶対にしないようにしましょう。
人として最低限のマナー・モラルは守らなければなりません。
無視は人を深く傷つけ、仕事に悪影響が出る行為なので絶対にやめてくださいね。
SNSに嫌いな人の悪口を書く
ストレスが溜まったり、嫌なことがあるとSNSに書き込んで発散したくなりますが、SNSに職場・同僚の悪口を書くことはおすすめできません。
なぜなら、膨大な人が利用しているSNSとはいえ、どこの誰が見ているかわからないからです。
また、匿名だと思っていても、これまでの書き込み内容や画像などから特定される可能性があることも理由です。
もし投稿した悪口を、同僚や悪口の対象である本人に見られた場合、関係性が悪化したり、自分自身が職場に居づらくなるといった事態になることも考えられます。
安易にSNSに悪口を書くと身を亡ぼすリスクがあるため注意しましょう。
職場いじめに発展させる
他の同僚と協力し、職場の嫌いな人をいじめるといった行為もやってはいけません。
嫌いになる人は、性格や態度に難がある場合もあるため、自分以外の同僚から嫌われていることもあります。
ですが、だからと言ってみんなで1人を攻撃するいじめ行為を行っても良い理由にはなりません。
いじめ行為をしなくても、話し合う・距離を取るなど、人間関係でできる対処法はいくらでもあります。
また、1度でも職場いじめを行うと、人間関係や仕事上のトラブルが発生する度、いじめによって問題に対処する雰囲気が作られる場合もあります。
このような職場では、社員は安心して仕事に集中できませんし、離職率が高くなるなど、会社にも悪影響を及ぼします。
社員が働きやすい職場環境にするためにも、嫌いな人だからと言っていじめることは絶対に止めましょう。
職場いじめは、人間関係の悩みやトラブルを解決したように見せかけるだけです。
別のトラブルを生み、企業としての信頼も損ないますので、絶対に行ってはいけません。
何より1番大切なのはスルースキル
「職場の嫌いな人との付き合い方・対処法」「職場の嫌いな人にやってはいけない行動」をお伝えしましたが、1番大切なのは、嫌いな人に対して無関心でいるスルースキルです。
嫌いな人から嫌な言動をされても真正面から受け止めず、受け流す姿勢を持つことが、実は何よりも重要になります。
次の言葉は、歌手・俳優などマルチに活躍する芸能界の重鎮、美輪明宏さんが人間関係について語った至言です。
人の悪口を言えば自分も不愉快になる。嫌な人はどこにでもいます。見ざる、聞かざる、言わざるが楽
美輪明宏
どんな職場にも嫌いな人が居るものですが、嫌いな人に反応するほど自分自身が辛くなり、どんどん不愉快な気分になっていくものです。
美輪さんの言葉を借りるなら、嫌いな人が居ても過剰反応せず、できるだけスルーして無関心でいる方が、心身にとって健全で実は楽なんですね。
職場に嫌いな人が居たとしても、まずはスルーしようとする意識を持ち、その前提で本記事で紹介した付き合い方・対処法を実践していただければと思います。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本記事でお伝えした内容で、とくに活用していただきたいポイントは以下の3つです。
上記の項目をお読みいただくと、職場の嫌いな人がいる場合にどうすれば良いかわかります。
職場の嫌いな人については、多くの人がどうすれば良いか悩んでいるものです。
人間関係に相性があることはわかってはいるものの、職場は逃げられませんし、長時間一緒に過ごすためストレスが大きいですよね。
本記事でお伝えした内容をぜひ実践していただき、少しでも職場の嫌いな人に対処していただければ幸いです。