悩み 退職・転職

職場の人間関係に悩んでいる・・・悩みを減らす方法や退職する前にやれること

頭を抱えて悩む男性

職場の人間関係を理由に仕事を辞めたいと思っている人は多いものです。

ですが、退職・転職には勇気が必要ですし、辞めるまでの準備や対応など、骨の折れる作業をしなければなりません。

対処法があれば仕事を辞める前に知っておきたいですよね。

本記事では、職場の人間関係が理由で仕事を辞めたくなっている方に向け、「辞める理由のパターン」・「辞める前にできる対処法」・「人間関係を良好にする方法」について解説しています。

本記事をご覧いただければ、職場の人間関係の悩みの解決のヒントが見つかりますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

人間関係が理由で退職する人は多い?

退職届を書いた女性ビジネスパーソン

結論から書きますと、人間関係が理由で仕事を辞める人は多いです。

厚生労働省が実施したアンケート調査「退職者の離職理由(令和5年3月3日)」によると、年代で違いはあるものの、平均すると退職理由のおよそ17.7%は人間関係という結果が出ています。

この数字は、10人の退職者がいれば、およそ1人~2人は何かしらの人間関係の問題で退職していることになります。

また、掲示板やSNSにも、人間関係が理由で仕事を辞めたといった投稿が見られました。

しゃべりかけてくれたりはしてたのですが、古株同士の2人(私より年下)が仲良し過ぎて(職場が女子高状態)、まともに仕事は教えてくれないし、付いていけず、もう1人の女の子(その子達とは全く反対の子で、やはり年下だがしっかりしてる子)と仲良くし始めたら、その女子高2人にシカト&私が仕事出来ないと聞こえる様に文句言ったり…。

それが嫌になり、仕事を休んだのをキッカケに退職しました…。

                                                            Yahoo!知恵袋より
いんこぶるー

同僚との人間関係のトラブルはよくありますよね。

とくに、グループや派閥があると、衝突が起きる場合も多いようで...。

おかめいんこ

職場いじめは辛いものです。

会社も問題を大きくしないよう、被害者をなだめようとするのもありがちです。

こうなってしまっては、退職しか選択肢がなくなるのもわかります。

仕事を辞める理由はさまざまですが、大別すると人間関係に行きつく場合も多いものです。

人間関係に問題があっても、仕事ができていれば問題ないと割り切れる人もいますが、感情もあるので簡単ではありませんよね。

場合によっては、人間関係の悪さが社員同士の連携に影響し、仕事に支障をきたす場合もあるでしょう。

また、いじめやハラスメントを受けていれば、心が擦り減ってしまい仕事どころではなくなります。

こうした理由から、人間関係を理由に仕事を辞める人が多いんですね。

人間関係で退職する理由

職場の人間関係のトラブルについて悩む女性

ざっくりと人間関係で辞める人がいることをお伝えしましたが、理由を分けるとさまざまな内容があります。

ここでは、上記6つの理由について解説していきます。

パワハラ・セクハラがある

職場の人間関係で問題として、パワハラ・セクハラがあります。

パワハラ・セクハラは昨今、メディアやSNSなどでも取り上げられ問題視されていますが、まだ存在しているのが現実です。

パワハラに該当するものとして、暴言・暴力・理不尽な要求を繰り返す、などがありますが、毎日されていては心も身体も持ちませんよね。

セクハラに該当するものとしては、性的な発言・身体を触る・恋愛や夫婦関係に踏み込む、などがあり、どれも受けた側からすると嫌悪感を感じ、とてもストレスになります。

また厄介なのが、ハラスメントが横行していた時代から働いている人は、無自覚にパワハラ・セクハラを行っている場合があることです。

よくある例として、パワハラを「部下を想った指導」、セクハラを「コミュニケーションのために良かれと思って」、などと考えるケースです。

いんこからふる

このような感覚のズレを受け、職場のコミュニケーションをレクチャーするセミナーも開催されています。

パワハラ・セクハラは、行っている人に悪気はなくても受けている人はとても辛ため、仕事を辞める理由になるでしょう。

同僚との人間関係に問題がある

同僚との人間関係に問題がある場合も、仕事を辞める理由になります。

職場にはさまざまな人が働いており、趣味嗜好や仕事のやり方が合わない場合もあるものです。

中には馬が合わないだけでなく、理不尽なことをしてくる同僚もいます。

職場での自分の立場を悪くさせるような行為は実害がありますし、恩をあだで返すような態度を取られたらカチンとくるものですよね。

このような同僚と一緒に働いていると強いストレスを感じるため、仕事を辞める理由になります。

上司と性格が合わない

上司と性格が合わないことも仕事を辞める理由になります。

世の中にはさまざまな性格の人がいて、ある程度は互いを許容して尊重する必要はあります。

ですが、上司と部下の関係性においては、長時間同じ空間を過ごすことになるため、性格の不一致は大きな問題になります。

性格の合わない者同士で共同作業するのは難しいものですし、ましてや部下は上司に意見をしにくいため、我慢が増えて強いストレスになりえます。

いんこぶるー

熱血上司と物静かな部下、とかだと合わなそうですよね。

下手をすると、熱血上司の指導をパワハラと受け取ってしまうかもしれません。

そこをうまくやるのが大人といった意見もありそうですが、性格を変えることは難しいですし、人間は感情の生き物なので簡単にはいかないものです。

毎日顔を合わせる上司だからこそ、性格が合っているかどうかは重要になります。

職場の空気が悪い

職場の空気がピリピリしていたり、上司や同僚が常にイライラしているような職場も、仕事を辞める理由になります。

このような職場は傾向としてパワハラ・モラハラが横行しやすいですし、上司や同僚に余裕がないため、報連相を行うだけでも不愉快な反応をされたりしてストレスになります。

当然ですが、不必要にピリピリしていたり、機嫌の悪い人がいる職場は、働く人のパフォーマンスが低下します。

このような職場では自己成長もできませんし、働き甲斐を感じることも難しくなってしまうので、辞める人が出るのは必然と言えます。

飲み会が苦手

飲み会が苦手な人は多く、飲み会を開催するたびに感じるストレスが理由で仕事を辞める人もいます。

民間シンクタンク産労総合研究所が行ったネットリサーチ「飲みニケーションは好きですか?」によると、職場の飲み会を好まない人の割合は7割(どちらかというと嫌い31.6%・嫌い37.2%を合わせて)もいることがわかっています。

おかめいんこ

7割とは・・・思っている以上に職場の飲み会が苦手な人がいるんですね。

職場の飲み会は上司や同僚に気を使いますし、お酒が飲めない人や得意ではない人もいます。

任意の参加とは言いつつも、人間関係を考えると参加は半ば強制のような空気もあるため、それも強いストレスに感じるものです。

以上の理由から、飲み会を理由に仕事を辞める人が出てもおかしくはありません。

リモートワーク・在宅勤務での人間関係の悩み

ビデオチャットツール

リモートワーク・在宅勤務なら、人間関係で悩まなくなると考えがちですが、実際は対面とは別の悩みが生まれています。

総務省が2021年に発表したアンケート調査「個人向けアンケートで見るテレワークの実情」(※1)によると、17.8%の人が社員同士のコミュニケーションを課題・障壁として挙げています。

また、10.8%の人が上司からの確認・指示を得にくいことを課題・障壁に挙げており、リモートワーク・在宅勤務ならではの人間関係の悩みがあることがわかりますね。

とくにリモートワーク・在宅勤務において障壁となっているのが、非言語コミュケーションの壁です。

チェック

人間同士のコミュニケーションでは、非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)が大きな役割を果たしています。

非言語コミュニケーションとは、相手の表情・ジェスチャー・話す速度・声のトーン・視線など、言葉以外の変化に注目し相手とやり取りすることで、どんな人でも必ず行っています。

言葉だけでは表現できない細かなニュアンスや感情などを補完して伝える役割があり、人間関係において重要なコミュニケーションの一部になります。

リモートワーク・在宅勤務の場合、やり取りはWebカメラ・チャットツール・メールなどで行いますが、それぞれ非言語コミュニケーションの弊害になる部分があります。

Webカメラは、タイムラグがあるため非言語部分が伝わりにくく、会話のキャッチボールのぎこちない感覚が拭えません。

チャットツール・メールは、そもそも文字だけでのやり取りなので、非言語部分が存在していないのが大きな弊害になります。

いんこからふる

確かに、文字だけだと冷たい印象を感じる時がありますね。

これらの弊害部分は、上司からの指示の微妙なニュアンスが伝わらなかったり、誤解によって社員同士のトラブルに発展するなどの可能性があります。

また、会話が少なくて寂しさを感じたり、業務進行の状況や自身の評価についてどうなってるのかわからず、不安に感じるといった状況にもなり得るでしょう。

※1 出典:総務省|個人向けアンケートで見るテレワークの実情

人間関係が理由で退職したくなった時の対処法

対処法

人間関係に悩むと仕事を辞めたくなるものですが、ちょっと待ってください!

その前にやっておいた方が良い対処法がいくつかあります。

ここでは、上記の6つの対処法について解説します。

友人・知人・同僚など頼れる人に相談する

人間関係で仕事を辞めたくなったら、頼れる人に相談してみることが大切です。

相談相手としては、社外の友人・知人・同僚が挙げられます。

悩みは誰かに話すだけでもスッキリするものですし、相談相手が同世代や同じ立場の人なら共感してもらえ、不安やストレスが小さくなるものです。

いんこからふる

確かに、世代が近いと誰もが同じような悩みを抱えていますよね。

「話す」ことと「共感」は、心に余裕を作るために重要です!

注意点として、職場の同僚に相談する場合は、相手を見極める必要があることです。

噂好きの人や誰かの悪口を言いがちな人に話すと、職場内に噂として広まってしまう可能性があるからです。

悩みを話すことはとても有効ですので、職場の人間関係で仕事を辞めたくなったら、まずは頼れる人に相談してみてください。

上司や人事部に相談してみる

上司や人事部に相談することも対処法の1つです。

とくに、パワハラ・セクハラや職場のいじめの被害者になっている場合は、改善のために相談すべきです。

人間関係が理由で仕事を辞める人は多い?」の章でお伝えしたように、会社がなあなあな対応をする可能性もありますが、きっちり対応してくれる場合もあります。

1人で解決することが難しい人間関係については、まずは上司や人事部に相談してみることが大切になるでしょう。

ただし、人間関係のトラブルの原因が上司や人事部である場合は、別の第三者に相談する必要がありますので、その点は注意してください。

チェック

職場の人間関係を相談できる第三者機関は、以下の3つです。

それぞれの機関では、労働者の権利・ハラスメント問題・職場のいじめ問題について相談を受け付けています。

上司や人事部に相談しにくい場合に活用しましょう。

職場の人間関係を割り切って考える

職場の人間関係を仕事上の関係と割り切ってみるのも対処法になります。

職場は仕事をすることが目的であり、仲良くすることは基本的には二の次です。

合わない人がいることや理不尽があること受け入れ、割り切ってしまうことで、過剰なストレスを避けるやり方です。

「職場は友達を作る場所ではない」、冷静に考えてみると当たり前ですが、なぜか人間関係を中心に考えてしまいがちなんですよね。

仕事にフォーカスすることで職場の人間関係から解放され、成果と自己成長を中心とした社会人になることができます。

休職で時間を取ってみる

ずっと人間関係に悩み、解決の糸口が見つからないのであれば、休職してみるのも大切です。

働いているとじっくり考える時間が取れず、疲労もあって冷静に状況を分析できないものです。

また、人間関係を理由に仕事を辞め、転職するにしても、仕事・転職活動・辞職という3つの負担を一挙に受けることになるため、心身をかなり消耗してしまいます。

転職がうまくいくとも限りませんし、下手をするとストレス過多でメンタルを病んでしまう可能性もあります。

そうなるくらいなら、まずは休職という手段を取り、とりあえず仕事と職場の人間関係から距離を置いてみるのも重要です。

距離を取ることでリフレッシュし、冷静に考え、次の行動の決断が下せるようになる場合もあるからです。

いんこぶるー

休職は全ての社員に認められた制度です。

病気や留学などさまざまな理由で求職できますが、人間関係による心身の消耗でも適用されます。

会社の就業規則に則り、人事や労務へ申請することで利用することができます。

きっぱり辞めて転職する

どうしても今の職場から離れたい場合や、他の対処法を試みてみても改善されなかった場合は、きっぱり辞めて転職するのも選択肢の1つです。

もちろん、次の職場の人間関係が良好とは限りませんが、今の職場よりはストレスがなく、過ごしやすい環境かもしれません。

転職する際は先々への覚悟が必要ですが、今の時代は終身雇用も崩壊し、そもそも1つの職場で定年まで勤務できる時代ではありませんよね。

そのことを裏付けるように、厚生労働省が行った令和2年転職者実態調査」によると、一般労働者がいる事業所のうち、転職者がいる事業所の割合は33%という調査結果が出ています。

この割合は今後増える可能性もありますし、多くの人がどこかのタイミングで転職をしなければならないのが、現代の就労事情です。

おかめいんこ

そういえば、AIで一部の仕事が近いうちになくなる、なんてことも言われていますね。

これまでの働き方では通用しなくなっていることも考慮する必要があります!

また、たった1度の人生ですし、仕事という大切な時間をと過ごし、共に成長していくかは重要な課題でもあります。

そういう意味で、人間関係で悩んでいるのであれば、今の仕事を辞めて転職することも意識しておくと良いでしょう。

マイナビ転職エージェントサーチ

関連記事

「仕事が合わない」と感じるケースについては

「仕事が合わない」と感じる時はどうする?理由・対処法や転職すべきケースについて解説

で解説していますので、併せてご覧ください。

職場の人間関係を良くする方法

楽しそうに雑談するビジネスパーソン

職場の人間関係が悪くなってから対処することも重要ですが、できれば悪くなる前に良好な人間関係にしておきたいものです。

ここでは、職場の人間関係を良くする方法についてお伝えします。

上記の4つの方法について解説します。

相手の話を聞く姿勢を持つ

人は多かれ少なかれ、自分の話を聞いて欲しいと思っているものです。

ですので、相手の話を聞く「傾聴」の姿勢を持つと、良好な人間関係を築きやすいでしょう。

営業などのビジネスのシーンでも傾聴のテクニックは重要視されていますが、職場の人間関係にも同じことがいえます。

また、傾聴はメンタルヘルスの分野でも大切にされており、「積極的傾聴」として、カウンセリング・精神科・介護・看護といった現場で取り入れられています。

チェック

「積極的傾聴」は、アメリカの心理学者でカウンセリングの大家であるカール・ロジャーズが提唱した概念です。

ロジャースの3原則として「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の3つの要素を挙げ、相手を尊重する態度のカウンセリングを提唱しています。

ロジャースの3原則は、以下の要素が条件になります。

  1. 「共感的理解」 相手の立場に立ち、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする姿勢。
  2. 「無条件の肯定的関心」 相手の話を、善悪・好き嫌いの評価をせずに聞く姿勢。相手の話を否定せず、その考えに至るまでの流れや背景について、肯定的な態度を持って聞く。
  3. 「自己一致」 話がわからない時は素直にわからないと伝え、話の真意を聞く姿勢。わからないことをそのままにせず、自分にも相手にも真摯な態度を持つ。

要するに、相手に共感し、否定しないよう素直な態度で話を聞くということですね。

傾聴という、相手の話を聞く姿勢でコミュニケーションを取ると、職場の人間関係も良くなる可能性があるでしょう。

相手を褒めるコミュニケーション

相手の良いところを見つけ、さりげなく褒めてみることも、職場の人間関係を良くするために有効です。

褒められて嫌だと感じる人はあまりいませんし、過剰なお世辞じゃなければ、嫌味として受け取られることもありません。

いんこからふる

確かに、褒め上手な人って誰とでも仲良くできてますね!

また、相手の良いところを見つけることは、嫌なところを見つけてストレスを感じるより、自身のメンタルにも良い影響があります。

さらに、褒めるコミュニケーションを取っていると、相手もこちらの良い部分を見つけ、褒め返してくれるかもしれません。

この場合、相手にも同じようなポジティブな効果が出ていますので、職場の人間関係が柔らかくなる可能性があるでしょう。

最初は抵抗感がありますが、いずれ自然にできるようになりますので、ぜひ実践してみてください。

同僚や上司と適切な距離を保つ

人と人の、物理的に不快にならない距離を指す概念に「パーソナルスペース」がありますが、人間関係においても適切な距離があります。

誰しもが聞かれたくないことがありますし、他者に干渉されたくない領域というものがあります。

例えば、仕事と家庭を分けて考えたい人が、上司や同僚のおせっかいで家庭事情について聞かれ、求めていないアドバイスをされたらストレスに感じるものです。

他にも、結婚、親類との関係、友人関係、過去などは、自分から話していない場合は地雷の可能性があるため、できるだけ踏み込まない方が良いでしょう。

さらに言うと、自分のプライベートや秘密を話したことにより、職場で噂になったり、話のネタになったりと、不愉快な思いをする可能性もあります。

触れて欲しくないことを何度も話題にされるのって、とても辛いですよね。

また逆に、こちらが上司や同僚の触れて欲しくない部分に踏み込んでしまったがため、人間関係に亀裂が入ったり、トラブルになってしまう場合もあるでしょう。

このような理由から、同僚や上司を適切な距離感を保つことは、職場の人間関係を良くするために大切です。

相手を変えるのではなく自分が変わる

職場の人間関係を良くするためには、相手を変えようとするのではなく、自分が変わって対応する姿勢も大切です。

人の性格はそう簡単に変えることはできませんし、ましてや他者コントロールはさらに難しくなります。

職場の人間関係において、例え相手に非があったとしても、それをどう受け取り、どう次のアクションにつなげるかは自分次第です。

日本でも大ヒットした「アドラー心理学」で有名な精神科医・心理学者のアルフレッド・アドラーは、以下のような言葉を残しています。

健全な人は、相手を変えようとせず自分が変わる。
不健全な人は、相手を操作し、変えようとする。

                                                         アルフレッド・アドラー

アドラー以外にも、他者を変えようとすることの無謀さを指摘している著名人・歴史的な人物は多数います。

ただし、自分が変わるとは、相手に合わせて自分の考えや主義主張を捨てる、という意味ではありません。

自分の考えを持ちつつ、譲れるところは譲ったり、話を受け流すといった柔軟性を持つことが、自分が変わって対応することの本質です。

最初はストレスを感じてしまうかもしれませんが、自分が変わる姿勢は人生全般で役立つので、習得できるようトライしてみてくださいね。

仕事を辞めることを検討した方がいいケース

頭を抱えて悩む女性

どんなに人間関係を良くしようと工夫しても、どうしようもない状況もあります。

ここでは、仕事を辞めることを検討した方がいいケースについて、各ケースへの対処法も解説しながらお伝えします。

パワハラ・モラハラを受けている

職場でパワハラ・モラハラを受けている場合は、仕事を辞めることを考えた方が良いかもしれません。

パワハラ・モラハラは、どのような立場や関係であっても許されるものではなく、働く人の尊厳を傷つけ、心身を壊す行為です。

今現在、被害に遭われているのであれば、自身の身の安全を守るためにも早急に対処する必要があります。

チェック

厚生労働省委託事業「働く人のメンタルヘルスポータルサイト『こころの耳』」によると、パワハラ・モラハラの定義は以下になります。

  • 「パワハラの定義」 ①優越的な関係を背景とした言動・②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの・③労働者の就業環境が害されるもので、①から③までの3つの要素を全て満たした場合
  • 「モラハラの定義」 言葉・態度・身振り・文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的・精神的に傷を負わせ、その人が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせている場合

上司や人事部に相談してみる」の章でお伝えした通り、適切な相談窓口、または相談できる人に相談して解決しない場合は、仕事を辞めることも必要になります。

セクハラを受けている

セクハラ被害を受けている場合も、仕事を辞めることを検討する必要があるかもしれません。

ただ、昨今ではセクハラを批判する風潮であったり、男女雇用機会均等法によるセクハラへの対策が事業者に義務化されているため、パワハラ・モラハラよりは改善する余地があります。

被害に遭われた際の相談先は、社内のハラスメント相談窓口・労働組合外部機関では労働基準監督署法務省の女性の人権ホットラインが挙げられます。

退職を覚悟しているのであれば、弁護士に相談し、法廷で決着を付けることも選択肢としてあります。

いんこぶるー

今の時代はセクハラは厳しく対処されますからね。

同じように苦しんでいる方はいますので、1人だと思わずに毅然と対処していきましょう。

1人が心細いようでしたら、SNSなどで仲間を作ることも大事ですよ!

専門機関に相談をしても、企業側の対応があやふやで謝罪や改善が望めないようであれば、仕事を辞めることも必要になるでしょう。

チェック

パワハラ・セクハラに関して相談できる外部機関へは以下のリンクで飛べます。

職場いじめの被害に遭っている

職場いじめの被害者になっている場合も、仕事を辞めることを検討する必要があります。

職場いじめはパワハラ・モラハラに加え、無視・仲間外れ・悪口などが行われることもあるため、ハラスメント以上に攻撃性が高い行為です。

当然ですが、度を超した職場いじめは違法行為に該当する場合もあり、過去には訴訟により、慰謝料や損害賠償の支払いが命じられたケースもあります。

また、内容によっては刑事罰が適用され、懲役刑や罰金刑が課せられる可能性もあります。

チェック

主に、以下の3つが刑事罰に処される可能性のある職場いじめに当たります。

  • 「暴行罪」 上司や同僚から、殴る蹴るといった直接的な暴力を受けた場合。
  • 「侮辱罪」 同僚がいる前で「クズ」と罵られたり、容姿に関する罵倒を受けた場合。
  • 「脅迫罪」 仕事でミスをした際に「殴るぞ」と言われたり、「クビにするぞ」などと脅された場合。

どの行為も、いじめなどという生ぬるい言葉で片付けられるものではありません。

一般的に見ても、違法行為に当たることは明白でしょう。

職場いじめに関しても、「上司や人事部に相談してみる」の章でお伝えした各窓口へ相談してみることが大切です。

内容が酷い場合は刑事事件にもなり得ますので、警察に行く必要が出てくる場合もあるでしょう。

ことが大きくなると職場に居づらくなる場合もありますし、例えいじめが解決しても、被害者がストレスなどによって心身に不調をきたし、職場に行けなくなる場合もあります。

そういった、出勤することが困難に場合においては、仕事を辞める必要があると言えます。

人間関係を理由とした退職は逃げではない

RE START

真面目な人ほど、人間関係を理由に仕事を辞めることを良くないことだと思いがちです。

ですが、ちょっと待ってください

人は人の中で生きていく必要があるので、人間関係ほど大切なことはありません。

もちろん、1人の社会人として仕事を通して責任を果たし、社会に価値を提供することも大切でしょう。

仕事においては、踏ん張る必要のある場面はありますし、歯を食いしばって立ち向かっていく勇気・覚悟も時には必要です。

しかしそれは、改善の余地がある場合においてのみ、です。

こと人間関係においては、相手ありきのことなので、どんなに手を打っても関係を成立させることが困難な場合もあるのが現実です。

「逃げ」と言う人は、そのような状態を経験したことがない人、もしくはめちゃくちゃ強い人だと思います。
私も人間関係で自分が壊れそうになり転職したことがあります。
だけど、あの時の自分は逃げたとは思いません。
自分なりに本当に戦いました。周りの皆には「そんな職場辞めていいと思う。他にもっと良い職場はたくさんある」と言われていましたが、それでも中途半端が嫌でどうにか改善されないかといろいろ試しました。
でも、やっぱりどうにもならないことってあるんです。
それで転職して、今は本当に仕事のやりがいがあって人間関係も良い職場につけました。

                                                          Yahoo!知恵袋より引用

相手を変えるのではなく自分が変わる」の章でもお伝えしましたが、相手を変えることはほぼ無理です。

会社に動いてもらう・第三者機関に動いてもらうなど、強制力を働かせない限り、改善できない人間関係は存在します。

または、それらを活用しても、関係性が悪くなって職場に居辛くなったり、会社が動いてくれないなど、根本的に改善しない場合もあるものです。

残念なことですが、世の中には悪意を持って他者を攻撃する人が存在します。

そのような人たちは攻撃自体を楽しんでいたり、ストレス発散をしていたりする場合もあり、まともな人間関係を構築することが難しい相手です。

職場の人間関係は幸福にも影響する重要な部分ですので、改善が難しい場合はすぐにでも退職・転職をした方が賢明だと言えます。

会社を辞めるときは円満退社を意識する

握手をするビジネスパーソン

人間関係が理由で仕事を辞める場合でも、円満退社になるようにしましょう。

民法627条1項によると、会社を退職する時は退職日の2週間前までに退職届を会社に届け出すことが定められています。

ですので、退職日までの猶予期間を使い、業務の引継ぎなどの辞めた後の体制をしっかり整えられるよう、会社に協力的な姿勢で行動することが大切です。

また、世間は狭いと言いますし、辞めた会社と転職先に何かしらの繋がりがないとも言い切れないため、最後のいい加減な態度・対応が転職先の会社に伝わる可能性もあります。

いんこからふる

人間関係が退社の理由とはいえ、1人の社会人として真摯に対応したいものです。

「立つ鳥跡を濁さず」のことわざの通りです!

どんな理由で辞めるにせよ、会社を辞める時は円満退社を意識して行動することが大切です。

前職を退職した理由はどうすればいい?

転職先の会社に前職を辞めた理由をどう伝えればいいか悩んでいる人もいらっしゃると思います。

結論から書くと、前職を人間関係が理由で辞めたことは伏せた方が良いでしょう。

理由は、人間関係を退職の理由としてしまうと、面接官の心証を悪くしてしまう可能性があるからです。

正直なことは悪いことではありませんが、「自社でもトラブルを起こすかもしれない」「ちょっとした人間関係のもつれで辞めるかもしれない」などと思われるのは得策ではありません。

できるだけ前向きな言葉を使い、「貴社で働きたくて応募しました」というスタンスを伝えるよう意識しましょう。

その場合、「貴社の業務のどこに惹かれたか」「自分の能力といかにマッチしているか」など、具体的でポジティブな話を心掛け、自分を雇うことにメリットがある旨を真っすぐ伝えるようにしてください。

また、辞めた理由も、「業務のミスマッチ」「会社の評価制度が自身の考えと合わなかった」など、会社の方向性が自分の考えと違っていた旨で話すと良いでしょう。

業務や会社の制度システムにフォーカスして話した方が、面接官は採用の判断材料にしやすいですし、辞めたことに対して悪い印象を持ちにくいからです。

企業は応募者の前向きな姿勢も評価するので、面接では後ろ向きな言葉は使わないようにしましょう。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本記事でお伝えした内容で、とくに活用していただきたいポイントは、以下の3点です。

職場の人間関係には多くの人が悩んでおり、決して孤独な辛さではありません。

仕事はもちろん大切ですが、人間関係の悩みやストレスで心身を壊してしまっては、働くこと自体ができなくなってしまいます。

ただ我慢するだけでなく、職場の人間関係を良好する対策や、退職・転職の選択肢があることを忘れないでくださいね。

本記事を参考にしていただき、少しでも現在の職場の人間関係の悩みの解消に活用してくだされば幸いです。

  • この記事を書いた人

bh_inko(たくみ)

新潟県でWebライター(歴は4年)をしています。 ・ビジネス関連 ・IT関連 ・転職関連 ・エンタメ関連 といった記事を執筆させていただいております。 趣味はイラスト作成(アイコン自作)、読書、格ゲー、映画鑑賞、動画鑑賞です。 質問・ご相談はお気軽にDMくださいませ。

-悩み, 退職・転職