転職回数が多いと転職する時に不安になりませんか。
「面接でこれまでの転職について聞かれたらどうしよう・・・」
「職歴を不信に思われるかもしれない」
「履歴書や職務経歴書をどう書けばいいかわからない」
転職回数が多いと転職に不利な側面はありますが、実は対処法もあります。
最後までお読みいただければ、転職回数が多い人が転職するためのポイントがわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
企業は転職回数が多い人をどう見ているのか
そもそも企業は転職回数が多い人をどう見ているのでしょうか。
何となくネガティブに見られている気はしても、具体的な見られ方についてはわからないもの。
企業からどう見られているかを理解しておくことは、転職対策の基本になります。
転職回数が多い人は企業からどう見られているのか
ここでは、上記3つの内容について見ていきます。
企業が転職回数が多いと感じる回数とは
結論から書きますと、男性の場合は転職回数が2回以上だと企業は多いと感じ、女性の場合は男性と同じく2回以上の転職回数と、労働市場からの離脱期間についてチェックされています。
平成30年1月に内閣府が発表した「成長力強化に向けた課題と展望」によると、就業経験のある男性の79%は初めて就職した仕事が正規雇用で、転職回数は多くても1回に留まっているという調査結果が出ています。
男性の場合、就業者の多くは転職をNGとする終身雇用ベースの価値観でキャリアを歩んでいることが伺えるでしょう。
就業経験のある女性の場合、76%が初めて就職した仕事が正規雇用で、その内、転職を1回もせずに終身雇用のキャリアを歩んでいる女性は50代で7%という結果が出ています。
多くの女性が、転職または結婚・出産などの理由で労働市場から退出していることがわかります。
終身雇用の崩壊が叫ばれて久しいですが、いまだに労働観の根底には終身雇用をベースとしたキャリア形成の感覚が根付いており、転職回数は2回が基準になっている状況です。
社会や人の価値観をすぐ変えるのは難しいもの。
本当の意味で転職が当たり前になるのはもう少し先かもしれません・・・。
企業から見た短期間で転職してる人の印象
基本的に短期間で転職を行っていたり、転職回数が多い人は、「1つの分野のスキルが身に付いてない」「人間関係が苦手な人かもしれない」「仕事に熱意がない」「早期退職するかも」といった印象を企業側に持たれやすくなります。
企業は即戦力と育成の側面から人材を求めており、30代以上ならば培ったスキル・経験を活かした即戦力を期待し、20代ならば将来的に自社に利益をもたらす人材に成長してくれることを期待しています。
転職回数が多いと、どの年代においても企業側が求めている人材像に対し不安材料があり、シビアに見られることは避けられません。
転職回数が多くても企業側に有益なスキルがあれば採用される
転職回数の多さはネガティブな印象を抱かれやすいですが、企業にとってプラスになるスキルや経験を持っていると判断されれば、魅力的な人材として採用されやすくなる側面もあります。
実際、転職するごとにスキルアップしている人もおり、そういった人材は転職自体をポジティブに捉えてもらえ、能力的に企業側に「この人を採用したい」と思ってもらえる可能性があります。
とくに以下のような人材の場合、転職回数が多くても魅力的な人材だと判断されやすくなります。
- 転職に一貫性があり、スキルアップ・経験の獲得など理由が前向きな人材
- キャリアの展望が明確で、「これからどうしたいか」を具体的に語れる人材
- コミュニケーション能力が高く、職場やクライアントとの関係性の構築が上手な人材
- 豊富な人脈を持ち、人と人、人と企業をつなげることができる人材
少しでも企業に魅力的な人材だと判断してもらうには、転職によって具体的に何を得てきたのか、企業に対してどんな貢献ができるかを伝えることが大切です。
転職回数が多い人が転職を成功させるためのコツ
ここからは、転職回数が多い人が転職を成功させる具体的なコツをお伝えします。
転職回数の多さは不利な要因ですが、対処法がないわけではありません。
転職回数が多い人が転職を成功させるためのコツ
ここでは、上記5つの転職を成功させるためのコツについて見ていきましょう。
自分は何ができる人なのか明確にする
企業は人材のスキル・経験をチェックしているため、自分は何ができるか=企業にどんな貢献ができるかを明確にすることは重要です。
これまでの職歴を振り返り、自己分析を通して具体的にどんなスキル・経験を獲得し、面接・履歴書(職務経歴書)でセールスポイントとして伝えられるかをまとめておきましょう。
コツとしては、転職に一貫性を持たせるような共通のセールスポイントを意識することをおすすめします。
共通点があると、先を見越した計画性のある転職だと思ってもらえるためです。
たとえば営業職を複数社渡り歩いたなら、「お客様のニーズを理解する力」「お客様に合わせて提案する力」を磨くことができた、または、このスキルなら御社にすぐにでも貢献できるとアピールすると良いでしょう。
業種・職種が異なる仕事を渡り歩いたなら、「問題解決によって人助けをする」「さまざまな仕事を若いうちに経験し、視野を広げておきたかった」など、抽象度を上げたセールスポイントを用意しておくことをおすすめします。
また、「〇〇の資格が必要な業務ができる」や「経験が豊富なので営業もできる」といった、具体的にできることを伝えることも大切です。
計画性のある転職だという根拠と、具体的なスキルが、セールスポイントを用意するときのコツです。
転職の目的を明確にする
転職の目的を明確にすることも大切です。
採用担当が最終的に評価しているのは転職理由であるため、転職理由が曖昧だと採用の決め手に欠け、採用担当も最後の決断ができないからです。
転職理由を伝える時は、成長・貢献などが感じられるポジティブな理由を挙げ、採用担当に好印象を抱いてもらうように努めましょう。
実際の転職理由がネガティブであっても、そのまま伝えることはおすすめできません。
たとえば、上司とそりが合わないことが転職理由だったとしても、そのまま伝えるのではなく、「自分の意見・アイデアを活かせる職場で働きたい」や「今の自分を大きく成長させてくれる上司と働きたい」など、ポジティブに言い換えることがポイントです。
ノルマがきつかったのが転職理由なら、「顧客1人ひとりと向き合いたい」「数ではなく、商品・サービスの質にこだわった仕事がしたい」などが良いでしょう。
ネガティブな転職理由にも必ずポジティブな言い換え方はあるので、探してみることをおすすめします。
これまでの転職には一貫する理由・目的があったことを伝える
転職回数が多いと、「飽きっぽい人」「忍耐力がない人」といった印象を抱かれてしまう可能性があります。
そのため、複数回の転職には一貫する理由・目的があったことを説明し、仕事に対して「自分の軸」を持っていることをアピールすることが重要です。
一貫する理由・目的を上手に伝えることができれば、企業側に価値観を理解してもらえ、さらにその価値観が企業側の理念に合っていれば、プラスに評価してもらえる場合があるためです。
たとえば次の2つのような伝え方が挙げられます。
「私は商品・サービスを人に届けるマーケティングの仕事にやりがいを感じています。1つの企業・分野で働いているだけでは成長に限界を感じたため、複数の企業・他分野のマーケティングに携わることで経験を積み、スキルを伸ばすため、転職を行ってまいりました。」
「もともと人助けをすることが好きでしたが、より自分に適した人助けの仕事を探すため、複数の企業を渡り歩きました。その結果、自分の特性や能力について理解が深まり、どんな仕事で人助けをすべきかが明確になりました。そのため、今回御社に応募いたしました。」
上記のような伝え方であれば、転職に一貫性があるとわかりますし、仕事への熱意や信念も感じられるため、転職回数が多いことへネガティブな印象が和らぎます。
自身の経歴・境遇に合わせて伝え方を考えてみると良いでしょう。
転職市場が活発なタイミングを狙う
転職市場が活発になる時期であれば、企業も幅広く人材を募集するため、採用される可能性が高くなります。
転職でおすすめの時期は、1月~3月と6月~7月のタイミングです。
1月~3月の場合、新年度である4月からの入社に向け、転職市場が1年の中でもっとも活発になる時期です。
転職希望者も増加する時期であり、年度を区切りとして3月末で退職し、4月からの転職を希望する人が多くなります。
そのため、企業も人員確保のため転職者向けの求人を出す傾向にありますし、採用の予算を年度末で使い切るため、求人が増加している側面もあります。
6月~7月は、1年の中で2番目に転職市場が活発になる時期です。
下半期に向けて人事異動や新規事業を始める企業が増え、必要な人員を確保するため求人も増える傾向にあります。
ただし、4月入社を希望する転職組に比べると、研修などの期間が短いため、どちらかというと即戦力になる人材が求められている時期だと言えるでしょう。
転職回数があまり関係ない企業・業界を選ぶ
転職回数を重視しているかどうかは、企業や業界によって異なります。
たとえば、人材の流動性が高いIT業界・飲食業界・不動産業界などは、転職回数をあまり気にしない傾向にあります。
また、スキル・経験・仕事観を重視しているベンチャー企業も、転職回数をネガティブに捉えない傾向にあります。
1人の社員が複数の業務を担当する中小企業やベンチャー企業では、複数の企業を渡り歩き、さまざまなスキルを身に付けている人材の方が求められている場合があります。
帝国データバンク発表の「人手不足に対する企業の動向調査(2022年1月)」によると、調査対象の全国24,072社の内47.8%の企業が正社員不足になっているとの結果が出ています。
業種別では「情報サービス」が65.7%、「飲食店」が65.1%、「建設」が62.6%、「メンテナンス・警備・検査」が60.8%、「農・林・水産」が60.6%と深刻な人材不足に悩んでいます。
人材不足に悩んでる企業・業界であれば、転職回数を重視せず採用してもらえる可能性があるでしょう。
また、こうした人材不足に悩む企業・業界であれば、未経験であっても採用されやすいため、異業種からの転職希望者も狙い目となります。
その際は、研修制度を用意している企業を中心に転職先の候補を絞ると、実際に採用されてからスムーズにスキルを伸ばすことができます。
とはいえ、人手不足の企業・業界が自分に向いているとは限りませんし、ミスマッチが起きないよう、慎重に求人を選別するようにしましょう。
転職回数が多い人の履歴書・職務経歴書の書き方
転職をする際には、履歴書・職務経歴書を用意する必要があります。
ですが、転職回数が多い場合、どのように書けばよいのか困ってしまうのではないでしょうか。
転職回数が多い人の履歴書・職務経歴書の書き方
ここでは、上記5つの履歴書・職務経歴書の書き方について見ていきます。
転職を繰り返した理由を書いておく
面接では、これまで転職を繰り返してきた理由を聞かれるため、履歴書・職務経歴書に転職理由の欄を設け、採用担当者が納得しやすい理由をあらかじめ書いておきましょう。
その際、「これまでの転職には一貫する理由・目的があったことを伝える」の項目で解説したように、転職に一貫する理由・目的があったことを説明します。
口頭よりも情報を整理して伝えやすいため、面接前に採用担当者の不安を払拭しやすいですし、書類選考の通過確率も高くなるため転職を繰り返した理由を書くことは重要です。
注意点として、以前の企業の悪口や批判を書くことは絶対にやめましょう。
「転職の理由を他責化している」「転職で何も学んでいない」とネガティブな印象を持たれてしまう可能性があるためです。
今回の転職を決断した理由を伝える
これまでの転職理由以上に重要なのが、今回の転職の決断に至った理由を伝えることです。
転職を繰り返した理由と併せ、転職理由の欄に書いておくようにしましょう。
企業は前向きで成長意欲があり、自社に貢献する意識の高い人材を求めているため、「これまでの転職経験があったからこそ御社に辿り着いた」といった、最後の転職先として全力を尽くす意思を伝えることが大切です。
これまでの転職について成長機会だったとポジティブに説明しつつ、集大成の場、または自分自身のさらなる成長を促進してくれる場であると伝えると好印象を持ってもらえます。
経験・スキル・実績を具体的に伝える
これまでの職歴の中で得た、経験・スキル・実績について具体的に書きましょう。
企業は何ができる人材なのかもチェックしているため、これまでの企業・業界ではどういった業務を担当していたのか、どんなスキルや資格を持つのか、数字としての成果・実績を説明することが重要です。
業種・職種が異なる企業に転職を繰り返し強みが分かりにくい場合は、複数回の転職には一貫する理由・目的があったことを説明し、「自分の軸」を伝えることがおすすめです。
「自分の軸」については、「これまでの転職には一貫する理由・目的があったことを伝える」で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事への熱意を伝える
仕事への熱意を伝えるとは、この仕事で成し遂げたい目標、歩みたいキャリアなどを伝えることと言い換えられます。
成長することへの意欲を書き、どんな人材になりたいかや、この会社で何を学んでいきたいかなどについて具体的に書きましょう。
転職者の姿勢と企業が求める人材像が合致することで、入社後の活躍する姿がイメージしやすくなり、採用担当者の印象も良くなるからです。
また、入社後にどうするかだけでなく、すぐに貢献できることを伝えることも大切です。
この時、事前に企業がどんな人材を求めているかリサーチしておき、自分の経験・スキルで貢献できそうな箇所についてあらかじめ突き止めておくことがおすすめです。
企業側の事情を知っていることにより企業から信頼してもらいやすくなる上、自身の能力について理解できている人材という証明にもなり、採用担当者の評価が高まることが期待できます。
経歴は用紙2・3枚に簡潔にまとめる
転職回数が多い人は、履歴書・職務経歴書の経歴欄の記載が多くなりがちです。
採用担当者は他の業務との兼務であることも多く、応募者全員の書類を確認して選考を進めなければならないため、できるだけ簡潔に書いた方が望ましいと言えます。
記載内容の情報量が多いと目を通しきれなかったり、判断材料が多すぎて注目して欲しい転職の理由やスキル、熱意などが伝わらない可能性があるためです。
経歴を省略することはNGですが、履歴書・職務経歴書はできるだけ要点を押さえて簡潔に書くようにしましょう。
また、履歴書は多くても用紙2枚、職務経歴書は用紙3枚までに留めておくことも大切です。
もし職務経歴書が4枚を超える場合は、キャリアや業務内容ごとに分けて書く「キャリア式」で職務経歴書を作成することも有用です。
その際、担当した業務やプロジェクトなど、職務の分野に分けて記述することで、ボリュームを抑えながら採用担当者が目を通しやすい職務経歴書が作れます。
面接でのよくある質問対策
転職の際には、基本的に対面での面接を受けなければなりません。
採用担当者との質疑応答を行いますが、転職回数が多いと経歴について説明しにくいものですよね。
面接でのよくある質問対策
ここでは、上記6つの質問対策について解説します。
転職回数が多い理由は何ですか?
この質問は高確率でされるため、回答を準備しておいた方が良い質問です。
基本的に企業側は、転職回数が多い人に「すぐ辞める」「スキルが身に付いてない」といったネガティブな印象を抱いているため、転職回数が多い理由の回答によってネガティブな印象を払拭することが重要です。
回答のポイントとしては、転職には一貫する理由・目的があったことを伝え、転職回数が多いことには意味があり、転職によって成長できていると採用担当者に理解を促します。
参考として、良い回答例とNG回答例についてご紹介します。
良い回答例(「これまでの転職には一貫する理由・目的があったことを伝える」の項目参照)
「私は商品・サービスを人に届けるマーケティングの仕事にやりがいを感じています。1つの企業・分野で働いているだけでは成長に限界を感じたため、複数の企業・他分野のマーケティングに携わることで経験を積み、スキルを伸ばすため、転職を行ってまいりました。」
「もともと人助けをすることが好きでしたが、より自分に適した人助けの仕事を探すため、複数の企業を渡り歩きました。その結果、自分の特性や能力について理解が深まり、どんな仕事で人助けをすべきかが明確になりました。そのため、今回御社に応募いたしました。」など
NG回答例
「会社の業績悪化による影響で給料が減額されたり、職場内の人間関係が上手くいかないことが多かったため、仕方なく転職しました。」など
「転職回数の理由の説明」は、転職回数が多い人の転職においてとくに重要なポイントです。
事前にしっかりシミュレーションしておきましょう!
今回の転職を決断した理由は何ですか?
今回転職を決意した理由について熱意を込めて伝えます。
転職先の企業の理念・業務内容が、自分の目標や歩みたいキャリアに合致している旨を具体的に説明し、この会社に転職する意義や意味を伝えましょう。
短絡的な転職ではなく、「これまでの転職経験があったからこそ御社に辿り着いた」といった、最後の転職先として全力を尽くす意思を伝えることが重要です。
これまでの転職を成長機会だったとポジティブに説明しつつ、自分が身に付けたスキル・経験を発揮する集大成の場、または自分自身のさらなる成長を促進してくれる場であると伝えます。
転職から何を学びましたか?
転職に関するポジティブな理由だけでなく、これまでの転職で得た具体的な知識・経験をはじめ、反省点についても伝えます。
この時、スキルや実績を伝えることも大切ですが、自身の至らなかった点や内省すべき点についても隠さず伝え、転職の中で反省・改善することで成長することができたと伝えると良いでしょう。
成長意欲のある人材だと企業側に思ってもらえるよう、学びについて前向きに捉えている姿勢を見せます。
ただし、過去勤めていた会社の悪口や、人間関係の問題について触れることはNGです。
あくまでも業務上の課題・問題、経験・スキルなど、自身の成長をポジティブに伝えられる内容のみ言及するようにし、他責ではなく自責の態度を示すようにしましょう。
自身の長所・短所について教えてください
自身の長所・短所を伝える際は、スキル・実績ではなく、性格上の特徴や特性を伝えると良いでしょう。
長所には大きく分けて次の5つがあります。
- 忍耐力がある
- 協調性がある
- 主体性がある
- ポジティブ
- 計画性がある
自身の性格を振り返り、上記の5つの要素のどれかを含めたエピソードを話すと、長所について伝えやすくなります。
その際、過去同僚や上司から言われた自身の特性や、友人知人が自分に抱いている印象などを参考にするのも方法です。
また、実は上記5つの長所は、そのまま短所に言い換えることもできます。
- 忍耐力がある→諦めが悪い
- 協調性がある→周囲に流されやすい
- 主体性がある→独断で物事を決めやすい
- ポジティブ→楽観的でのんき
- 計画性がある→心配性、神経質
長所と短所が表裏であることを理解しておけば、良い面を伝えながらも、反面、短所についても伝えやすいので覚えておきましょう。
参考として、2つの回答例をご紹介します。
例1・長所の回答
「私の長所は協調性があることです。前職〇〇ではチームプレイが重要視されており、お互いの得手不得手を理解して担当業務を割り振り、カバーし合うことで成果につなげることができました。その中、私は積極的に周囲とコミュニケーションを取っていたため、仲間同士の関係性作りの下支えになったと上司から感謝された経験があります。」
例2・短所の回答
「協調性は長所ですが、言い換えると周囲に流されやすい一面もあります。その点については自覚的なので、これから御社で働きながら主体性についても学んでいきたいと考えています。協調性と主体性を併せ持ち、適宜使い分けられる人材になることも、私の目標の1つです。」
自分の性格がよくわからない場合は、友人・知人・家族に聞いてみるのも手です。
短所は失敗談に潜んでいたりするので、振り返ってみましょう。
これまで経験した失敗について教えてください
この質問で採用担当者は、自身をどれだけ客観的に評価できているかをチェックしています。
自己分析や内省・反省は成長はもちろん、業務上の課題を解決するために不可欠な能力だからです。
仮に自社で働いた場合、失敗を受け入れ、反省することで成長の糧としていける人材かを確認しているとも言い換えられるでしょう。
失敗は隠すのではなく素直に伝え、失敗から何を学び、どんな反省を経て成長したかを伝えることが大切です。
失敗の経験から反省し、挽回の流れのエピソードを話すと採用担当者に伝わりやすくなります。
回答例
「前職では、新規顧客開拓を担当していました。ある時、新規顧客候補としてリストアップしていた企業に電話営業をしたのですが、担当者から門前払いを受けてしまいました。上司に相談したところ、「粘り強く営業を続けることが大切だ」とアドバイスを頂いたため、断られた理由を分析するために電話での会話内容を振り返りました。また、顧客のニーズをより深く理解するために、業界や企業に関する情報の収集も行いました。他にも、電話でのアプローチ方法を改善するために、ロールプレイングも上司と行いました。対策を講じて再び電話営業を行ったところ、担当者から話を聞いてもらえるようになり、最終的に契約を頂くことができました。この時の経験から、失敗から学ぶこと的重要性と、粘り強く努力することの大切さを学びました。」
最後に質問はありますか
最後に聞かれることが多いのが、「何か質問はありますか」という採用担当側からの逆質問です。
この質問をする理由は次の4つの目的があります。
- 転職者の意欲を知るため
- コミュニケーション能力をチェックするため
- 自社の社風との相性の確認
- 質問力をチェックするため
それぞれの目的について見ていきましょう。
「1.転職者の意欲を知るため」
採用担当は転職者が何社も面接を受けていることを前提としています。
複数の希望転職先がある中で、自社に対してどれだけ入社の熱意や業務へのモチベーションがあるかを、逆質問を通して確認している場合も多いものです。
逆質問をするには、企業のホームページ・求人・SNSなどをチェックし、情報を仕入れた上で質問を用意しなければなりませんが、その手間を惜しむことなく、しっかり準備していると採用担当にやる気があると思ってもらいやすくなります。
質問がないと、自社にあまり興味がなく、意欲もそれほどない印象を持たれてしまう可能性があるため注意が必要です。
この時の質問は、業務内容についてなど具体的なものであるほど望ましいでしょう。
なぜなら、入社後のイメージを持って転職に臨んでいる人という印象になり、意欲のある転職者だと認識してもらえるためです。
「2.コミュニケーション能力をチェックするため」
基本的に逆質問は、自分から相手に会話のボールを投げる主体的な発言が必要になります。
円滑にコミュニケーションを行うためには、受け身にならず、自分から話題や質問を投げかけることも大切です。
そのため採用担当者は、自分の考えを論理的かつわかりやすく伝える能力や、相手の立場や感情に配慮し、適切な質問を投げかけることができているかなどをチェックしています。
「3.自社の社風との相性の確認」
逆質問は自由な発言が許されるため、その人の性格があらわれやすい傾向にあります。
採用担当者は質問内容の特徴をチェックすることで、社風との相性を判断しています。
たとえば、自分の頭で考えて行動することを重視している企業に対し、「1からすべて教わることができる教育制度はあるか?」などと質問してしまうと、この人は自分で考えて自主的に行動できない人だと判断され、社風と合わないと結論づけられてしまう可能性があります。
面接の前には、転職希望先の企業がどういった理念を持ち、どんな社風なのかをホームページやSNSなどで確認しておくようにしましょう。
「4.質問力をチェックするため」
仕事において、問題・課題に対して自分で解決案を出せない場合、上司・同僚や社外の関係各所に協力を仰がなければならないケースもあります。
そのような状況においては、スムーズに問題・課題を解決するため、より本質的な質問を相手に伝わりやすい形で用意しなければなりません。
また、質問をしない=問題・課題の放置につながることにもなるため、質問することに慣れているかもチェックされていると考えておきましょう。
転職回数が多い人の転職成功例
ここからは実際に転職回数が多い人の転職成功例を見ていきましょう。
中には、40代までに9回転職された末、正社員の部長職に復職されている方もいらっしゃいます。
転職回数多くてもまったく問題ない。職場ごとに合う合わないは絶対ある。無理に居続けても辛いだけ。合わないと見切りをつけてすぐに辞められたあなたは判断が早いです。私も転職回数は8回以上。職場を変えるごとに収入は上がっていった。転職が多いならその分、経験値が上がっていると思っていい。
— めぎ|玄樹堂 (@megi_rpg) November 3, 2021
8回以上も転職している方の投稿です。
もちろん転職者全員がそうではありませんが、わらしべ長者のように、収入が上がるパターンもあります。
ちなみに私の転職回数は5回だw
— ロウシ@しばらく充電期間 (@roushi6263) September 13, 2022
次の内定を頂いている会社で6社目に入社した事になる。
あっ、6回になるのか。
それでも普通に生きられているから問題ない。
むしろ、段々と給料は上がっているし、スキルも身に付いている。
今が大切だけど、未来を大切にしないと、その先の今で大きく躓くのだ。
こちらの方も転職を5回行い、スキル・給料が上がっていったとのこと。
転職回数が多いからといって、必ずしも環境や待遇が悪くなるとは限りません。
また、転職によってスキルアップという成長ができた良い例でしょう。
45歳
今まで9回転職してます!
その間メニエール病や鬱病になり、派遣社員になったこともありますが、今では無事正社員の部長職に復活しました
へこたれらあかん!
Yahoo!知恵袋
40代までに9回転職され、病気という困難を乗り越え、正社員の部長職に復職された方です。
1度は派遣社員になりましたが、あきらめずに転職活動を行った結果、また元のポジションに舞い戻れたケースです。
転職回数だけでその人のキャリアが決まるわけではないことを証明しています。
転職に関してよくある疑問
ここでは、転職回数が多い人の転職に関してよくある疑問についてお答えします。
転職に関してよくある疑問
それぞれの疑問について回答します。
Q.転職回数が多くても、面接の印象が良ければ受かりやすい?
A.面接の印象が良い転職者が受かりやすいことは、現実としてあります。
ただし、転職回数が多いと採用枠と応募者の人数によってふるい落とされてしまう傾向もありますし、面接前の書類選考で落選する可能性もあります。
面接での印象が良いことは有利ですが、それだけで転職が上手く行くかどうかは別問題です。
採用担当者との質疑応答の対策を含め、しっかりと準備してから面接に挑むようにしましょう。
Q.転職回数を誤魔化しても大丈夫?
A.銀行振込・マイナンバー・雇用保険や社会保険の加入歴・年金などでバレる可能性はあります。
ただし、必要に応じて身辺調査(前職調査・リファレンスチェック)などをされない限り、基本的には採用側は職歴について正確にチェックしているわけではないため、そこまで神経質にならなくても良いでしょう。
転職回数が多くて履歴書・職務経歴書の経歴欄に書ききれない場合は、一部の職歴を省略することも可能です。
とはいえ、バレてしまうと信用を落としたり、採用が取り消されたり、最悪の場合は経歴詐称とみなされ損害賠償に発展する可能性もゼロではないので、主要な職歴はしっかりと伝え、転職回数はできるだけ誤魔化さないようにしてください。
転職回数が多い場合は転職エージェントの活用がおすすめ
転職回数が多く、転職活動が不安な場合は転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントにはキャリアのプロが在籍しており、これまでの職歴・スキル・経験をもとに適性に合った企業を洗い出してくれるため、ミスマッチの少ない求人を紹介してくれます。
履歴書・職務経歴書など応募書類の書き方のアドバイスも行っており、採用担当者が読みやすく、整理された提出書類を作成できることができます。
また、面接対策についてもレクチャーしており、印象を良くするための質疑応答の方法、やってはいけないNG言動についても丁寧に教えてもらえることも魅力でしょう。
転職回数が多い転職者にとって、心強いサポーターになってくれるのが転職エージェントです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事でお伝えした内容で、とくに活用していただきたい項目は次の3つです。
上記の項目をお読みいただくと、転職回数が多い人が転職を上手く進めるためのポイントがわかります。
日本社会では転職回数をシビアに見られてしまう現実がありますが、対処法もあります。
採用担当者への伝え方や履歴書・職務経歴書の書き方を工夫することで、転職回数をポジティブにアピールすることもできるんですよね。
本記事でお伝えした対処法を実践していただき、転職成功の足がかりにしていただければ幸いです。